2日目のテレワークセッションの最終プログラムでは週刊BCN編集長の本多和幸が登壇し、「改めておさらいする働き方改革の本質~緊急対応としてのテレワーク需要のその先~」と題して講演した。

 週刊BCNで2月以降、継続的に報じてきた新型コロナウイルス感染症のITビジネスへの影響について、まずは節目ごとに掲載した記事を振り返りながら半年間の推移を説明。3月には日本国内でも感染が広がり、在宅勤務が拡大したことを背景に、ウェブ会議ツールなどのコミュニケーション/コラボレーションツールのユーザー数が急拡大した。

 本多編集長は、「Zoom」を擁するZVC JAPANのカントリーゼネラルマネージャーである佐賀文宣氏のインタビュー記事を4月に掲載して大きな反響があったとして、佐賀氏の「コロナの影響により、もともとテレワークの拡大を予定していた企業も、突然全社的なテレワークを余儀なくされた。その結果、最新のウェブ会議ツールが導入しやすくて使いやすく、優れたUXを提供していること、そしてそうしたツールの活用を前提にすればテレワークのメリットも非常に大きいということが改めて多くの人に認識されるようになった」とのコメントを紹介。ツールベンダー側は継続的に成長していく市場としての手応えを得ているとの見方を示した。

 また、新型コロナの影響を踏まえた市場展望についてIDC Japanが発表したレポートの内容にも触れ、「テレワークなど働き方改革に関連するIT商材の伸びは堅調に推移するとしており、実際に多くのITベンダーが注力商材として提案を強化する方針を鮮明にしている」と説明。さらに、「全社的な在宅勤務、テレワークを実施している企業には、同時にデジタルを前提とした業務プロセスの再構築などにも取り組み、生産性を上げ、都度、事業環境の変化に対応してビジネスを継続的に成長させるための新たな仕組みづくりを模索する例も。ITベンダーには、顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)に貢献するという前提の下に、ITツールの提供を通して“ニューノーマル”時代の新しい働き方を提案するという意識が重要になるのでは」と問題提起した。

 直近の市場で特に盛り上がりを見せているIT商材としては、バズワードになりつつある「ゼロトラストネットワーク」を実現するためのアクセス制御関連のソリューションや、契約プロセスの電子化ツール、オンライン営業向けのコミュニケーションツールなどを挙げ、週刊BCNの関連記事を紹介。「いずれもツールを導入するだけで大きなメリットを得られるわけではなく、新しい業務の形とセットで活用すべきもの。ITベンダー側も自社での実践などを通じたノウハウの蓄積があってこそ、説得力のある提案ができる」とコメントした。