各開催日の最終セッションでは、主催者講演として週刊BCN編集部や法人向けIT市場を取材するジャーナリストが取材の現場から見た最新トレンドを解説した。

 初日の5月26日は、フリーランスライターの指田昌夫氏がメインスピーカーとして登壇。「ITビジネスの“ニューノーマル”を考える 業務効率化/デジタル化を加速させる提案とは」をテーマに、週刊BCNの本多和幸・編集長とディスカッションした。

 指田氏は今年、週刊BCN紙面上において「テレワーク+オフィスワーク ハイブリッドワーク時代の従業員管理」「ローコード/ノーコード開発による『内製化支援』のあり方」「人の業務を自動化し、助ける存在 コロナ禍でRPAは原点回帰する」という3本の特集を執筆している。それぞれの内容を振り返りながら、新型コロナ禍以降の市場ニーズの変化について見解を述べた。

 「新型コロナ禍によってあらゆる規模、業種の企業でデジタルツールの導入が加速しており、この流れは止まらないだろう。今後のビジネスは、何をするにもITツールの利用が不可欠になる」とした上で、「ITをいかに効率よく活用していくかがビジネス全般で大きな課題になる」と指摘する。ITツールをデリバリーするSIerなどの今後のビジネスについては、「より多くの業界知識を持ったITのアドバイザーとしての役割が重要になる」と訴えた。

 2日目は週刊BCNの日高彰・副編集長が、セキュリティ市場の最新動向や注目のキーワードを解説した。日高副編集長は2021年上半期で印象に残ったセキュリティ事故として、米コロニアル・パイプラインがランサムウェア被害を受け、440万ドル相当の身代金を支払ったと報道された件や、LINEの個人情報管理不備問題を取り上げた。

 前者は社会インフラへの攻撃だったため世界的に大きな話題となり、攻撃の主体だった犯罪集団「ダークサイド」が「社会的影響を与えることは本意ではなかった」と声明を出した上で解散を表明。日高副編集長は「一見殊勝だが、社会の反応とバランスを取って、ランサムウェアがビジネスとして成立する環境を維持しようという動きだと推測される」と指摘した。

 直近のセキュリティ市場でビジネスが活性化しているテーマとしては「SASE」と「CSPM」を挙げ、リモートワークが一般化する中で、クラウドを社外から安全かつ利便性を保ったまま使うためのソリューションに注目が集まっていることを紹介した。

 最終日は「真・クラウド時代の幕開け ITビジネスエコシステムの変革、ついに本格化」と題して本多編集長が講演した。