シンクライアント端末のディストリビューターとして、約15年の歴史をもつアセンテック。同社が構築した仮想デスクトップ基盤(VDI)はさまざまな企業・団体で毎日の業務に使われている。Wyseシンクライアントを核とする同社のVDIソリューションは、サーバーやストレージなどのITインフラも含む包括的な構成であることがポイント。コンサルティングや構築の支援サービスもあわせて提供している。

松浦崇副社長

コロナ対策のリモートアクセス増強は一段落、より高いセキュリティを求める企業が増加

 東京・秋葉原に本社を置くアセンテックは、仮想デスクトップ基盤(VDI)を専門としている。2007年にシンクライアント端末「Wyse」のディストリビューターとなり、14年10月にデル・テクノロジーズとプレミアパートナー契約を結んでいる。

 「VDIソリューションは、コロナ禍の前からBCPや働き方改革のためのインフラとして浸透していた」と振り返るのは松浦崇副社長。コロナ禍で増えたテレワークに対応するためリモートアクセスのVPN増強が一段落した今、より高いセキュリティを強化するため、VDIの導入を検討する企業が増えているという。

ITインフラやサービスなど包括的に提供

 このような状況にあるVDI市場に向けて、アセンテックはシンクライアント端末、VDIソフト、ITインフラ、関連ツール、サービスを含む包括的なソリューションを提供している。

 シンクライアント端末の核となるのは、デル・テクノロジーズのディストリビューターとして販売しているWyseシンクライアントだ。デスクトップ型、モニター一体型、ノート型の3形態があるため、用途に合ったものを選択することが可能。一般のPCをそのままシンクライアント化する方式と比べて、「高セキュリティ」「高速起動」「容易なメンテナンス」といったメリットがある。

 Wyseシンクライアントのセキュリティが高いのは、Wyse ThinOSと呼ばれる独自のOSをベースにしているためだ。「Wyse ThinOSのAPI仕様は公開されていないので、堅牢性が高くOSの容量も、Windowsと比較するとより小さいために起動時間は短い」と松浦副社長。Wyse Management Suiteサーバーで一元管理する「ゼロコンフィギュレーション」方式なので、納入時のキッティングが必要なく、アップグレード/ダウングレードなどのメンテナンスもしやすい。

 このほか、具体的な仕組みは異なるものの、「Dell Chromebook」や、「Dell Hybrid Client」もセキュアなシンクライアント端末として選択でき、問い合わせは急増中だという

 また、独自開発のシンクライアントソフト「Resalio Lynx」を使うと一般のPCをシンクライアント端末に“変身”させることができる。Resalio LinxはUSBブート型とソフトウェア型があり、専用OSが起動する仕組み。「セキュリティの観点からWindowsは避けたいが、最新PCの高い性能は享受したいというニーズや、より高いセキュリティを求めるユーザに合致している」と松浦副社長は強調する。

 一方、VDIを供給するサーバー側のITインフラには、アセンテックがプレミアパートナーを務めるデル・テクノロジーズのさまざまなサーバー・ストレージ・ネットワーク製品が選べる。「VDIでキモとなるのはストレージだ」(松浦副社長)。デル・テクノロジーズには、プライマリストレージとしての「Dell EMC PowerStore」や、バックアップアプライアンスとして一体になった「Dell EMC PowerProtect DP」などがあり、さまざまなユーザのニーズにこたえるストレージ群がある」

 さらに、アセンテックは長年の経験と知見に基づくVDI関連サービスとして「VDIコンサルティングサービス」「VDI構築サービス」「プレミアサポートサービス」も提供中。構築の作業には、従業員の半数以上を占めるSEが携わっている。

パートナーの増加でVDI案件の深掘りへ

 このようなアセンテックのVDIソリューションは、すでに多くの企業・団体で日常の業務に使われている。製造業、小売業、教育機関、地方自治体など、実績のある業種・業態は多い。

 最近では、「拡大を続けるVDI市場のニーズに応えるために、各地のパートナー様を支援し、案件の深掘りをしていきたい」(松浦副社長)との考えで、Wyseシンクライアントを核とするVDIソリューションの拡販を目指して、パートナー企業との協業に取り組んでいる。

 強みは、VDIのトータルベンダーとして各メーカーの技術情報をパートナー企業に提供でき、技術支援に携わるSEが社内に多数在籍していること。シンクライアント検証用の貸出機も10種類以上200台ほど用意し、本社内のショールーム「VDI Innovation Center」はパートナー企業が顧客向けにデモンストレーションするための場としても活用できる。
 
アセンテックVDI Innovation Center

 このような販売力の強化と並行して、アセンテックは製品自体の強化にも引き続き取り組む。「国内外のさまざまな製品の中からわれわれが吟味したものを、毎年2~3製品ずつ日本市場に紹介していきたい」と松浦副社長。自社製品のResalio Lynxについては、ゼロトラストセキュリティに対応するための機能拡張が来年中にリリースされる見通しだ。

 「VDI専業ベンダーとして、お客様の半歩先を行くソリューションをこれからも提供していく。パートナー各社のビジネスをしやすくするための支援も強化していく」と松浦副社長は意気込みをみせている。