NTTデータ先端技術の開発・販売する統合運用管理ソフトウェア「Hinemos」最新版「Hinemos ver.7.0」が、3月1日にリリースされた。オンラインセミナーでは、Hinemosの全体像、Hinemos ver.7.0に搭載される新機能について紹介。また、リニューアルされるHinemosサブスクリプションサービスの紹介、大規模基幹システムにおける活用状況やHinemosによるクラウド活用について、最新事例を交えて詳しく解説した。

新機能を搭載した最新版「Hinemos ver.7.0」がリリース

 イベント冒頭の招待講演には、テクノ・システム・リサーチの浅沼邦明氏が登壇。「市場データとユーザ調査結果からみるIT運用管理市場のトレンド」をテーマに講演した。

 在宅勤務やリモートワーク、クラウド利用の拡大、DX推進などによりIT運用管理を取り巻く環境は大きく変化。システム数の増加で管理・統制が効きづらくなり、ITインフラも複数パブリッククラウドの管理業務が増加した。

 「従来の運用では業務がまわらなくなる。運用方法の改善・効率化と見直しが必須で、システム運用管理ソフトウェア・サービスを積極的に導入し、IT運用の自動化を進める必要がある。優先して導入すべき機能は、マルチクラウド管理と運用の自動化だ」と説明。アナリストの立場からHinemosは「派手さはないが、着実で堅実な機能拡張・機能強化を実践している」と評価した。

 続いて登壇したNTTデータ先端技術の澤井健氏は「詳細解説!Hinemos ver.7.0の全体像」をテーマに講演した。

 Hinemosには3大機能として、「収集・蓄積機能」「監視・性能機能」「自動化機能」があり、各機能間で共通利用する設定の集約と、シームレスな機能間連携を実現する共通基本機能で構成している。2022年3月1日にリリースされた最新バージョンのHinemos ver.7.0では、SDML(Software Defined Monitoring and Logging)機能、RPA管理機能が追加された。

 SDML機能は、SDMLロギングをアプリケーションに組込み、制御ログと監視ログを介在し、モニタリング(監視)とロギングの定義と制御を実現する。RPA管理機能は、WinActorの導入端末数の増大と適用範囲の拡大、他のRPAツール並行導入により肥大化した運用管理コストを大きく削減するものだ。新機能の他にも、別の運用管理製品からのジョブ移行・クラウド管理をより簡易にする拡張やGrafanaプラグインの提供などの機能強化も行っている。「従来の運用管理の枠組みを超え、進化を続けるHinemosに期待してほしい」と語った。

 次に、同社の橋本真志氏が「リニューアル!Hinemosサブスクリプションサービスのご紹介」と題して講演した。リニューアルによりメニューは、小さく低コストで運用をスタートしたい企業向けの「Essential」、クラウドを始め変化する環境を堅実に運用するための「Standard」、運用の全体最低化を実現し高度な運用技術が活用できる「Premium」と非常にシンプルで分かりやすい体系となり、それぞれ「ミッションクリティカルオプション」を追加することで冗長化構成を取ることも可能となっている。サービスの契約者には、システム運用に関連するさまざまなサービスを提供するWebサイト「Hinemosカスタマーポータル」も用意する。
 
Hinemosサブスクリプション

「クラウド」「大規模基幹システム」で活用が進むHinemos

 次のセッションでは、同社の荒居優太氏が「Hinemosはクラウド徹底対応!Hinemosによるクラウド活用の最新事例」をテーマに講演した。

 既存の運用管理製品が抱えるクラウド対応の課題に、「運用管理製品が対象クラウド上で動作サポートされていない」「運用管理製品が対象クラウド上でクラスタ構成を組めない」「リソースを柔軟に変更できるのにライセンスが複雑・高額」「オンプレミス・仮想化環境と違うクラウド専用の運用が必要」という点がある。Hinemosは、さまざまなクラウドを動作環境として対応。クラウドに真に対応したミッションクリティカル機能を備え、リソース変化でスケールしないライセンス体系となっている。

 また、クラウド・仮想化運用を効率化する専用機能、クラウド管理機能も備え、AWSやAzureなど、主要なパブリッククラウドに機能対応。「マルチVM・マルチクラウドでの統合運用管理を実現できる。ハイブリッドなシステムにおいてもシームレスに、監視、ジョブといった運用管理を実現できる」とした。
 
Hinemosによるクラウド管理

 続いて登壇した同社の木下功也氏は「大規模基幹システムの運用管理を実現するHinemos最新事例」と題して講演した。

 Hinemosは、大規模基幹システムに対応するための多くの機能を備え、監視、ジョブといった運用管理を無停止で継続実行できる。Hinemosのミッションクリティカル機能は、統合運用管理機能を提供するHinemosマネージャ多重化機能であり、ワンパッケージで提供される。これにより収集・監視・自動化の高可用性を実現する。

 ミッションクリティカル機能の活用事例では、公共系クラウドシステムで、プライベートクラウド上の多数のシステムをHinemosのミッションクリティカル機能を使い、堅牢な運用監視を実現。金融決済システムで、他社運用管理製品から監視、ジョブを移行し、ミッションクリティカル機能の活用で高可用かつ低コストの運用管理をHinemosで実現した例などを紹介した。

Hinemosブランドの新製品「Hinemosメッセージフィルタ」

 最終セッションでは、澤井氏が「Hinemosメッセージフィルタ ver.1.0の概要と使いどころ」をテーマに講演した。Hinemosメッセージフィルタは、Hinemosブランドの新製品となる。

 運用現場ではさまざまな事象検知のために大量の「メッセージ」が発生し、「本質的なイベント」を知ることが困難になっている。メッセージフィルタは、ルールエンジンを活用し、インテリジェントなアラートと自動化を実現する。

 具体的には、(1)不要なメッセージを抑制するとともに、関連メッセージを集約することにより、本質的なイベントの対処に注力できるようにする「インテリジェントなアラート」、(2)本質的なイベントメッセージから直ちに通報、インシデント連携、ジョブフロー・ワークフロー起動、監視制御といった運用業務に連動する「インテリジェントな自動化」、(3)When/Then(こんな時、どうするか)で定義するシンプルなルールを指定するだけで、メッセージフィルタが適切に判断を行う「ルールベースの条件指定」、(4)Hinemosメッセージを受信し、リポジトリ情報をルールの条件内で参照でき、ルール判定後もHinemosを直接操作できる「Hinemosからのシームレスな導入」――などを特徴とする。

 セッションでは、NW機器のLinkDown/Upの集約、毎時ジョブの障害復旧までの通知という二つの具体的なシナリオをベースに、メッセージフィルタの設定方法とルール定義について解説した。同社ではメッセージフィルタを容易に活用できるよう、ルール開発や動作確認を簡単行う開発キットと、サンプルルール集を提供している。
 
Hinemosメッセージフィルタ ver.1.0

 今後については、Hinemos ver.6にもメッセージフィルタを対応させ、他の運用管理製品からのイベントへも対応していく。また、メッセージフィルタに対応したトレーニングコースも用意するとした。