NTTデータ先端技術は、リリースから15周年を迎えた統合運用管理ソフトウェア「Hinemos」の最大イベント「Hinemos World 2020」を11月13~30日の期間、オンラインで開催している。特設サイト上の各種オンラインコンテンツでHinemosの最新動向、機能、サービス、ソリューション、導入事例などを一挙紹介する。そこで、13日に限定配信したオンラインセミナーの中から、目玉となる講演の概要をいち早くお届けする。

15周年を迎えた「Hinemos」、DX時代の運用管理ツールへと進化を続ける

 「Hinemos World」は、2010年秋に初開催。今年で12回目となるHinemos最大のイベントだ。14年から複数日程となり、17年から複数都市での開催となるなど、規模を拡大してきた。昨年は、全国5都市(東京、札幌、名古屋、大阪、福岡)で開催し、236人が参加した。今年は時節柄、初のオンライン開催となるが、300人の参加を見込んでいるという。

 今回のイベントでは、Hinemosの最新トピック・開発動向、サービスやソリューションの紹介だけではなく、Hinemosリリース15周年を記念した製品機能の変遷紹介など、メモリアルならではのコンテンツも用意されている。それでは、13日に限定配信されたオンラインセミナーから、注目のセミナーを紹介しよう。

 まず、キーノートでは、NTTデータ先端技術の大上貴充氏が、「Hinemosのこれまでの歩みとこれからの取り組み」をテーマに講演。

 05年8月にオープンソース初の統合運用管理ソフトウェアとして生まれたHinemosは、システム管理の基本である監視とジョブ管理をワンパッケージで提供する製品だ。その後、仮想化・クラウド化時代の運用管理ツールとしての機能も備えた。

 現在の最新版となるVer.6.2は、19年4月にリリース。今では、データ活用・AIOpsといったDX時代の運用管理ツールへと進化を続けており、より大規模、ミッションクリティカルなエンタープライズシステムの運用を支えるツールに成長している。もちろん大企業だけでなく、ディストリビューターを通じて販売され、多くの中堅・中小企業にも多くのユーザーを持つ。実際、ダウンロード数は85万以上、多種多様な業界で900システム以上を支えている。

 Hinemosが今後、注力していくのがソリューション連携の強化だ。例えば、AIOps連携では膨大な運用ログを活用して、AIによって予兆検知と原因分析をいち早く実現していくことを目指している。RPA連携では、業務システムと連動することで多数のRPAの稼働状況を収集し、RPAの見える化やRPAの統合運用管理を実現していく。

 また、ITSM(ITサービスマネジメント)連携では、インシデントが発生した際に、障害検知から障害対応という手順を簡素化していち早い対応を可能にするなど、システム運用における管理ツールとの連携をシームレスに実現。運用業務の効率化・生産性向上に寄与できるようになる。

 「Hinemosは、今そこにあるシステム運用の課題にソリューションを提供し、ピンチをチャンスに変えることができる。おかげさまで15周年を迎えたHinemosに、これからも期待してほしい」とアピールしている。
 
「Hinemos」のソリューション連携の図

HinemosによるRPAやAIOps連携ソリューションを紹介

 NTTデータ先端技術の谷越桂太氏は、「HinemosのWinActor管理機能とは~WinActorの手軽な管理をお求めの方へ~」をテーマに講演。現場主導のRPA利用が急拡大することで、多くのロボット管理、障害対応、セキュリティリスクなど新たな課題も浮上している。これらの課題解決の最適解となるのがRPAツール「WinActor」+「Hinemos」の組み合わせだ。

 HinemosのWinActor管理機能を活用すると、Hinemosが提供するITシステムの業務フローの自動化に、RPAで自動化されるデスクワーク処理も管理対象に加わり、システム全体の統合運用管理が実現する。また、収集したデータを活用して、さらなる業務改善に役立てることも可能になる。来年初旬には、WinActor管理機能用の分析レポートも提供予定としている。なお、WinActor管理機能は、いずれのHinemosサブスクリプションにも含まれている。

 続いて登場するNTT東日本の鈴木康弘氏の講演は、「NTT東日本におけるRPAによるDX推進に向けたHinemos WinActor管理機能」がテーマ。NTT東日本では、働き方改革・業務効率化を目的に数千台規模のWinActorを活用し、取り組みを推進している。従来、WinActorの利用実態が分からないといった課題を抱えていたが、WinActor管理機能の活用で利用状況が可視化したという。

 これによって、アカウントや実行したシナリオ名、シナリオの稼働時間などの把握が可能となった。同社では、WinActor利用状況の可視化の仕組みを活用し、RPAによるDX推進をさらに加速していく方針だ。
 
Hinemos WinActor管理機能の概要

 NTTデータ先端技術の澤井健氏とNTTアドバンステクノロジの飯塚貴士氏は、HinemosのAIOpsの取り組みと「AI異常予兆検知ソリューション(@DeAnoS)」の紹介をテーマに講演。

 まず、澤井氏のHinemosのAIOpsの取り組みでは、運用ログ分析活用として予兆検知によるシステム障害未然対応と故障原因の分析を実現する「AIを活用したITシステムの異常検知機能」を紹介。また、障害対応の迅速化/自動化では、システム障害の自動復旧について紹介する。

 具体的には、Hinemosが収集した各機器のあらゆるメトリクスをAI基盤と連携、相関を検出し正常時の状態との比較から、より複雑な故障予兆検知や早急な故障要因分析を実現する。さらに、復旧に関してUI操作が必要な範囲は、WinActorをHinemos WinActor管理機能と連携させて自動化を実現する。

 続いて飯塚氏は、この異常検知機能のコアとなるAI基盤のAI異常予兆検知ソリューション(@DeAnoS)について紹介。同ソリューションは、あらゆるログ・データから平常時の状態を学習し学習モデルを作成、そしてAIが“いつもとここが違う”という点を自動検知するものだ。これによって、多様化、複雑化した生産ラインやICTシステムの異常予兆をいち早くAIが捉えて、トラブルを未然に回避できるようになる。

 また、閾値監視では難しい異常予兆検知、異常要因の推定、潜在的な未知の障害の発見も可能となる。さらに、柔軟なシステム連携によって、ログ・データ収集や分析、アクションのオペレーション自動化も実現することができる。すでに、多数のPoCが進んでおり、ICTシステム以外にも、IoT家電や内燃機関のセンサーデータなど、幅広い分野での適用が可能という。
 
HinemosとAI基盤の連携による異常検知機能