オンプレ・仮想化・クラウド問わず、世の中のITシステムの安定運用や、運用自動化を実現するために広く使われている、NTTデータ先端技術の統合運用管理ソフトウェア「Hinemos」――。その最新の状況を報告する「Hinemos World 2021」がオンラインで開催された。プログラムはキーノートに続いて、「Hinemos ver.7.0」の機能紹介、サービス紹介、事例紹介などと盛りだくさん。その中から、注目セッションをレポートする。

運用DXに対応した管理ソフトで運用現場の働き方改革を実現する

 NTTデータ先端技術が開発・展開する「Hinemos」は、世の中のさまざまなITシステムの安定運用や、運用自動化を実現する統合運用管理ソフトウェアだ。ver.1.0の登場は2005年8月。その後何回かのメジャーバージョンアップを経て、Hinemos ver.7.0がリリースされる予定になっている。
 
「Hinemos」の歩み

 その統合運用管理ソフトウェアを巡る最新の状況について、キーノート「IT運用管理のニューノーマル」では大上貴充氏が「昨年来のコロナ禍によって、運用の現場でも働き方の変革が求められている」と指摘。運用のデジタルトランスフォーメーション(運用DX)を実現するために重要なポイントとして、「クラウド活用」「運用プロセスの標準化・高度化」「運用業務へのAIの活用(AIOps)」「運用自動化」の四つを挙げた。

運用DXに向けて各種ツールを統合する機能が追加

 では、次のメジャーバージョンとなるHinemos ver.7.0には運用DXを実現するための機能がどのように実装されるのか。それを明らかにしたのが、「詳細解説!Hinemos ver.7.0の全体像」という講演だった。

 スピーカーの澤井健氏は、まず「Hinemos ver.7.0は『収集・蓄積』『見える化・分析』『自動化』の3本柱のサイクルで運用アナリティクスを実現する」と解説。運用DXを推進するために、Site Reliablity Engineering(SRE)、ITOps、DevOps、NoOps、AIOps、を実現するための監視・自動化ツールを統合していくと述べた。

 続けて、運用アナリティクスのサイクルをより効果的・効率的にまわすための三つの新機能を紹介した。

 その第1が、多数のイベントの中から本質的なものだけを拾い出す「メッセージフィルタ」だ。「複雑化するITシステムの監視やジョブ実行管理では、大量のメッセージで画面が埋め尽くされてしまうケースがあり、本質的な障害を発見することが困難になる」と澤井氏。そこで、ルールエンジンを活用して本質的なものだけに絞り込み、運用者の判断を介さず自動対処できるようにしたのがメッセージフィルタだと説明した。自動対処では、通報、インシデント連携、ジョブフロー/ワークフロー起動、監視制御の無効化などがある。

 第2に、モニタリング(監視)とロギングの仕方をソフトウェアで定義・制御する「Software Defined Monitoring and Logging」(SDML)がある。このSDMLを使うと、アプリケーションから取得したプロセス情報を基にHinemosが自動監視したり、アプリケーションに組み込んだ監視制御コードによってHinemosの動作を制御したりすることが可能。その結果、「アプリケーション開発が終わってから運用者が運用管理方法を設計するのでは本質的な監視ができない」(澤井氏)という課題を解決できるわけだ。 Hinemos ver.7.0では、自動監視の機能から順にリリースされる。

 第3の新機能は、WinActorやUiPathなどのRPAツールに対する運用管理を省力化する「RPA管理」である。「RPAは働き方改革や生産性向上に大きな効果があるが、導入端末数が増えたり、業務全体の自動化に取り組んだり、複数のRPAツールを併用したりすると運用管理が難しくなる」と澤井氏。そこで、Hinemos ver.7.0にはRPAのシナリオをジョブとして運用管理する「RPAシナリオ専用ジョブ」や「シナリオ実績収集」「シナリオ実績集計」の各機能が設けられたほか、RPA管理ツールの動作監視にも対応したとアピールした。
 
「Hinemosver.7.0」の全体像

サブスクリプションメニューの再編で更に高機能なサービスを提供

 さらに、Hinemos ver.7.0のリリースを契機にサブスクリプションのメニューもリニューアルされた。Hinemosサブスクリプションは、Hinemosカスタマーポータルを通じてHinemosソフトウェアやソフトウェア保守などのさまざまなサービスを提供する形態のこと。利用者にとっては、サーバー数に関係なく定額で利用でき、仮想マシン追加などのリソース変更をしても費用が変わらないという利点がある。

 新しいメニュー体系は、「Essential」「Standard」「Premium」という構成。「Hinemosサブスクリプションサービスご案内」と題した講演では、スピーカーの橋本真志氏が「さらにシンプルで高機能な体系となった」と紹介した。

 三つのメニューのうち、Essentialはスモールスタートやコスト削減を重視する企業向け、Premiumは「システム管理にとどまらず、運用の上流までを含めた高度な技術を活用したい企業」(橋本氏)向けの上位版という位置付け。一般的な用途にはStandardが向くと橋本氏は説明した。このほか、3メニューのいずれにも付加できる機能として、Hinemosサーバーを冗長化するための「ミッションクリティカルオプション」も用意されている。

 Hinemos World 2021のその他のセッションで取り上げられたのは、Hinemosエンタープライズ機能、Hinemosクラウド管理機能、Hinemosミッションクリティカル機能、Hinemosジョブ管理機能など。導入事例としては、国内外の著名企業・団体での活用例のほか、商用データセンターなどの大規模ミッションクリティカルシステムへの適用例も取り上げられた。

 
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