ネットワールドは12月2日、日本IBMパートナー向けのイベント「ネットワールドIBM Day 2022」を開催した。講演では、サステナビリティトランスフォーメーション(SX)をテーマに日本IBMのオープンソースエコシステム担当部長の小島克俊氏とネットワールドのソリューションマーケティング部システムソリューション課主任の若松大介氏によるトークセッションのスタイルで実施したほか、日本IBM+ネットワールド、AIT、エルテックスの各社が自社の製品やサービスについて最新情報を紹介した。
SXソリューションで緻密すぎる ESG投資を把握しやすくする
ネットワールドIBM Day 2022の前半部は「IBMと考えるITで実現するサステナブルな社会」。ネットワールドの若松氏からの経営に関するサステナビリティの問いに日本IBMの小島氏が答えるトークセッションのスタイルで実施した。
具体的なSXソリューションとして小島氏が紹介したのが、IBMコンサルティングが提供する「IBM Digital Twin for Sustainability Estimation(DTSE)」だ。デジタルツインを使ったシミュレーションにより国際基準のスコープ1,2,3にのっとった温室効果ガスの排出量削減を予測することはもちろん、どのような優先順位で対応を行えばよいか数理最適化で解明してくれるというものだ。ここではDecision Optimization/CPLEXというIBMの数理最適化ソルバーが利用されている。「数理最適化の技術、製品は、送配電、製造ラインの構成、トラックの配送経路などの領域に広く使われている」と小島氏。「近年注目されている他社製のアニーリング型量子コンピュータで脚光を浴びた数理最適化のユースケースでは従来型のコンピュータでも同等かそれ以上の計算がすでにされてきている」と説明した。
「システムインテグレーションのためにCPLEXの計算エンジンをIBM Cloud Pak for Dataで稼働させるにはRed Hat OpenShift、Watson Studio、Watson Machine Learningなどが必要となり複雑になりそうだ」と若松氏。この指摘に対して、小島氏は「ビジネスパートナー様と共に、Red Hat OpenShiftやIBM Cloud Pak for Data、CPLEXソルバーが事前にインストールされたアプライアンスなどの提供が進むことを期待している」と応じた。
日本IBMで最新のトピックスといえば、2022年10月4日に発表された「Red Hat OpenShift Data Foundation(ODF)のストレージ技術とIBM Spectrum Fusionの統合」。小島氏は「オープンソースであり優れた分散ストレージシステムでもあるCephを使う意義は大きい」と述べ、分散ストレージの概念と利点をストレージシステムであるNFSの歴史にさかのぼり解説した。
また、米VMwareと米IBMのパートナーシップ拡大(22年8月30日発表)によって、VMwareアプリの実行場所に関係なくIBM Cloud Satelliteを利用できるようになる見通し。WebSphere Application Server(WAS)でのJava SE 8サポートは30年までとなる。
ネットワールドは12月2日、日本IBMパートナー向けのイベント「ネットワールドIBM Day 2022」を開催した。講演では、サステナビリティトランスフォーメーション(SX)をテーマに日本IBMのオープンソースエコシステム担当部長の小島克俊氏とネットワールドのソリューションマーケティング部システムソリューション課主任の若松大介氏によるトークセッションのスタイルで実施したほか、日本IBM+ネットワールド、AIT、エルテックスの各社が自社の製品やサービスについて最新情報を紹介した。