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ZLテクノロジーズ 「アーカイブ」から「利活用」へ統合情報管理ソリューション 生成AI活用のデータエンジンとしての活用に期待

2024/04/18 09:00

週刊BCN 2024年04月15日vol.2010掲載

 統合情報管理ソリューションを提供するZLテクノロジーズ(ZL)は、生成AIとの連携機能を実装した新版を6月以降にリリースする。これまで同社のソリューションは大企業を中心に、コンプライアンス対策や訴訟対応、アーカイブなどの用途で活用されてきた。しかし今後はAI連携によってユースケースが広がり、日本でのパートナービジネスも新たなステージに移行すると考えられている。Kon Leong CEOに、生成AIを活用したデータマネジメントがもたらす価値と、同社の新たな事業展開を聞いた。

まず、ZLについてお聞かせください。

Kon  私たちは米国シリコンバレーに本社を置くグローバルソフトウェア会社です。1999年に創業し、主に大企業向けとして非構造化データを対象とした統合情報管理ソリューションを提供してきました。また米国ではフォーチュン500企業の多くが当社の顧客で、特に金融業界ではトップ5銀行の4行が私たちの顧客です。日本でも99年に法人を設立し、製造業と金融業を中心に多くのお客様がZLのソリューションを活用しています。
 
Kon Leong CEO & President

ZLのソリューションの特徴についてお聞かせください。

Kon ZLでは、メールやビジネスチャット、ファイルサーバーやクラウドストレージなどに保管された非構造化データを統合するプラットフォーム(ZL Unified Platform)と、eディスカバリーやコンプライアンス、情報ガバナンス、分析などの用途に対応するための機能群を提供しています。
 

 非構造化データは日々膨大な量が生成されます。ZLのソリューションは元データのコピーをつくるアーカイブ方式に加え、元データのインデックスだけを管理する 「インプレース・マネジメント」の方式もサポートしており、これにより高速にハンドリングできるほか、データ量や保存コストの削減を可能にします。また単にデータをアーカイブしていくだけでなく、不要な個人情報など企業にとって必要のないデータはポリシーに準拠して戦略的に削除する、というリスクマネジメント対策にもなります。

新機能として生成AIとの連携が予定されているとうかがっています。それによって何ができるようになるのでしょうか。

Kon 生成AIの活用では非構造化データからインテリジェンスを得ることが必須であるため、データを大量に持ち、さらにそれを一括して扱えなくてはなりません。その上で高速かつ効率的に正確な答えを発見する必要があります。

 ZLのソリューションは「大量のデータ」と「さまざまな種類のデータを一括で扱える」という二つの要求を満たしています。複数のソースから大量のデータをためられることについては前述の通りです。またZLがこれまで提供してきたデータ構造や検索性能は他社ソリューションと大きな違いがあります。他社のBI・データ管理製品は、システムアーキテクチャー上の制約から、個別のシステムやデータの中から“あたり”を付けて少量を抽出し、“砂場”の中で検索を繰り返して正解に近づく、言わば「Sandbox」の方式です。対してZLでは統合データの“砂浜”全体を一括で検索する「Beach」方式をとっているため、一度の検索で必要な答えを導き出せます。

 ZL Unified Platformを「ChatGPT」などの生成AIと連携させれば、生成AIを有効活用するためのデータマネジメント製品として威力を発揮するでしょう。各社のクラウドサービスが実装するAIも含めて、データと同様に生成AIも一括管理できるようになります。

具体的にどのようなユースケースを想定していますか。

Kon 例えば社内での活用では、隠れたトップパフォーマーおよびその行動パターンの抽出や、情報漏えいを画策する従業員の行動やコミュニケーションのパターン抽出などのケースが考えられます。またコールセンターなら履歴を学習した生成AIに回答を出させて、対応の高度化を実現可能です。実際に海外の政府系コールセンターでは履歴から感染症の伝播状況を可視化する取り組みが行われています。ただそれらは、あくまで一例に過ぎません。さまざまなニーズを引き出し、かつ実装できるパートナーの力こそが、ZLのソリューションにとって最も欠かすことのできない要素だと私たちは認識しています。

最後に日本でのパートナー展開と、メッセージをお願いします。

Kon これまでのZLのソリューションは大企業を対象としていたため、パートナーも限られていました。しかし生成AI活用の場面では、業種も企業の規模も問わなくなります。ソリューション自体も、アーカイブや検索といった従来型のニーズに加えて、データ活用や知見の発見というDXや生産性向上用途での活用が見込めます。幅広い業種に関する知見と提案力を有するITソリューションベンダーやコンサルティング企業と連携して、販売展開していきたいです。

 
ZLテクノロジーズ=https://www.zlti.com/jp/
メール:JapanInfo@zlti.com
Tel:03-5436-7191
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外部リンク

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