ネットワンシステムズの子会社で、システムインテグレータ(SIer)のネットワーク事業のサポートをビジネスとするネットワンパートナーズは、速いスピードで事業を拡大している。2013年をめどに、年商を2倍に引き上げることによって、ネットワングループ内での立場の強化に取り組んでいる。齋藤普吾社長に今後の戦略を聞いた。
売り上げ倍増、200億円を目指す
──御社がネットワンシステムズのリセール会社として2008年末に設立されて以来、およそ2年が経ちました。2010年4~12月の9か月累計の売上高で、御社は前年同期比で約76%の伸びを記録。金額規模はまだ比較的に小さいのですが、ネットワングループのなかで、存在感を増していますね。
齋藤 当社を設立した目的は、直接販売を行うネットワンシステムズに、システムインテグレータ(SIer)などにネットワーク製品を再販する子会社をもたらせることによって、これまでカバーできなかった市場を開拓していくことにあります。当社は過去2年間で、NTTデータや新日鉄ソリューションズをはじめ、約20社の大手SIerさんとのつき合いができて、事業を確実に拡大してきました。
2010年のネットワングループ全体のなかで、当社の売上高構成比は約10%。金額でいえば、およそ100億円になります。今後は、グループ内でネットワンパートナーズの立場を段階的に強化していきたい。2013年をめどに、売り上げを200億円程度へ引き上げ、グループ全体での売上構成比を20%に向上させることを目指しています。
──御社の基本となるビジネスは、大手SIerのネットワーク事業をサポートすることですね。
齋藤 大手SIerは、技術者の人的リソースが限られているといった理由で、システムインテグレーション(SI)の案件に集中せざるを得ない傾向がみえています。すべてのリソースをSIの本業へシフトし、その下にあるネットワークを自社では行わないという考えが普及しつつあります。つまり、SIerはネットワーク事業をアウトソーシングしているわけです。そこから生まれるサポートの需要を狙って、当社はビジネスを展開しています。実際、ネットワーク事業を手伝ってほしいというSIerさんからの引き合いが結構あります。今のところ、NTTデータや新日鉄ソリューションズはメインの協業先となっていますが、これから新規パートナーを開拓していきたい。
──向こう2年間で、売上高の倍増を目指していくとおっしゃいました。具体的な取り組みを教えてください。
齋藤 一つは、先ほど話したSIerとのパートナーシップの強化と拡大。これは当社の核となる事業で、数字を伸ばしていくためのベースなので、積極的に取り組んでいきたい。また、それを踏まえ、当社がもっている高い技術力を生かしながら、競合との差異化を図って、新しい商品や独自のソリューションの開発・展開を推し進めていきます。ネットワークはビデオ会議などが普及して、画像のトラフィックが爆発的に増えているので、それに対応したソリューションの需要が高まっているとみています。
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