今年6月、NECフィールディングの社長に伊藤行雄氏が就いた。長い間、NECのコンピュータ事業に籍を置き、この会社に移る前はNECディスプレイソリューションズの社長を務めた。ハードをつくって売ることを得意分野としてきた伊藤氏が、ヒトを武器にサービスを売るNECフィールディングでどんな施策を打ち出すのか。キーワードは四つ。「垂直型サービス」「海外」「クラウド」「SMB」だ。
「ものづくり」から「ヒトづくり」へ
──社長就任から約3か月、経営トップとしての時間をどのように配分してこられましたか。 伊藤 お客様回りが半分で、残りの3分の1が社内の定例会議、そのほかの時間で、NECフィールディングを学びながら、やりたいことに少しずつ取り組んでいる感じです。
──NECフィールディングの強みは、どこにあるとみておられますか。 伊藤 スキルの高いスタッフと、統率力の高い組織。これに尽きます。NECフィールディングは、国内に400を超える拠点があって、6000人以上の従業員がいます。この巨大な組織を動かして、全国均一に高い品質のITサービスを提供できることこそが、最大の強みです。
──同じNECグループの企業であっても、外から見ているのと、中に入って感じることは、違うものですか。 伊藤 違いますね。正直にいえば、人を育てることにここまで努力して、しっかりとした組織を運営しているとは思っていませんでした。それと、顧客満足度(CS)に対する執着心の強さにも驚きました。NECフィールディングは、CSを上げることにこだわっていて、その姿勢にはすさまじいものがあります。だから、お客様と接する態度や姿勢については、何も心配していません。これまでのやり方を踏襲すればいいと思っています。
──伊藤社長は、NECでコンピュータの開発・販売事業のキャリアが長く、この会社に来られる前は映像表示装置を開発・販売するNECディスプレイソリューションズのトップを務めておられました。かたちのないサービスを売るNECフィールディングに、戸惑いを感じませんでしたか。 伊藤 確かに、私のこれまでのキャリアはコンピュータ(ハード)ばかり。仕事は、ものをつくって売ることでした。NECフィールディングは、人材を武器にしてサービスを提供する会社ですから、若干の違和感はありました。ただ、コンピュータ事業に携わっていた頃には、NECフィールディングのスタッフと一緒に仕事したことが、何度もありましたからね。その頃は、トラブルを起こして迷惑をかけたこともたくさんありました。NECフィールディングの文化や、保守サービスの大切さを理解しているつもりですので、その意味では、この会社に慣れるのは早かったかもしれません。これまでは「ものづくり」。これからは「ヒトづくり」です。
──先ほど強みをお話しいただきましたが、長所ばかりではないはず。社長に就いて、改善が必要だと感じられたことはありませんか。 伊藤 会議が多いこと……。私は、一週間の業務時間のうち、多い週で70~80%は会議に時間を費やしています。まあ、スタッフも拠点も多く、全国展開していますので、他の業態のITベンダーよりも会議が多いのは仕方がないことだとは思いますが、それにしても多い。中身も問題で、それぞれの会議で決めることが不明確。ですから、今、会議を整理しています。
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