ネットワールドが順調に成長を続けている。2012年度(12年12月期)の売上高は前年度比14%増の535億円を達成。初の500億円超えを果たした。他社に先駆けて仮想化技術に取り組むなど、最先端の技術をいち早く取り込んでビジネスとして確立することに力を注ぎ、ディストリビュータとして販社が売りやすい環境を整備。「単なるディストリビューションではなく、『バリュー・アデッド・ディストリビュータ』として『コンバージド(融合)・インフラストラクチャ』を提供していく」とアピールする森田晶一社長に、今後の取り組みについて聞いた。
少しの読みと幸運が奏功
──2012年を振り返って、どんな年でしたか。 森田 東日本大震災をはじめ、2011年が激動の年だったので、12年は前年と比較すると穏やかな年だったといえます。そのなかで、当社の状況はといえば、12年度の売上高が500億円を突破しました。実額は前年度比14%増の530億円です。売上規模が200億円台だった10年ほど前、売り上げとして何とか500億円を突破したいと考えていましたので、一つのマイルストーンを通り過ぎたと実感しています。
──500億円を突破した原動力は何ですか。 森田 実は、500億円の達成については13年度を予定していました。11年度が464億円だったということで、12年度は突破しないだろうとみて、期初に485億円という計画を立てました。それでも社員の一人ひとりが、「500億円を目指さなければ、目標は達成できない」という意識をもって業務に従事し、500億円を突破しただけでなく、さらに30億円を上回る結果になったのです。全社員の目標達成にかける意気込みの強さが500億円を突破できた一番の理由です。
さらにいえば、ビジネス領域を拡大したことも好業績に結びついたと思います。当社は仮想化技術をベースに、サーバーからストレージ、ネットワークまでを網羅し、直近ではシスコシステムズのユニファイドコンピューティングシステム「Cisco UCS」やユニファイドスイッチ「Cisco Nexus」などを活用したソリューションなど、トータルインフラの提供に取り組んできました。仮想化に関しては、ヴイエムウェアと販売代理店契約を結んだのが2000年です。他社と比べても早かったはずです。今では、メーカーが提供する製品やエコシステムに必ずといっていいほど仮想化というキーワードが含まれている。当社が早くから仮想化に関する取り組みを進めてきた結果、さまざまなメーカーが当社をパートナーとして認めてくれるようになった。こんなサイクルを構築できたのは幸運です。幸運をつかむために、2000年にこのような時代が来ることを見据えた手を打ったのです。少しの読みと幸運が成長をものにした理由と捉えています。
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