東北と北海道を担当地域とする日立ソリューションズの地域グループ会社、日立ソリューションズ東日本は、MicrosoftのERP「Dynamics」向け業種・業務モジュールで、グローバル市場への進出を目指す。親会社の日立ソリューションズが欧米アジア主要市場で展開するDynamics事業向けの業種・業務モジュールを供給することで、海外への販売を加速させる。「東北・北海道地域から全国、そして世界へ」を合い言葉に、地域密着のビジネスで培ったノウハウをテコに、グローバル市場で勝負をかける。
地域の民需、製造業に強み
──日立ソリューションズグループのなかで、東北と北海道地域を担当される御社ですが、正直、首都圏にIT投資が集中する構造からいって、ビジネスとしては厳しいのではないですか。 森 当社にはおよそ1000人の社員がいますが、うち600人ほどが首都圏の大型案件に携わっています。社員の8割は東北地区の出身ですので、少なくない割合の社員が首都圏での仕事をこなしているかたちになりますが、担当地域である東北・北海道でのビジネスに見通しが立たないわけではありません。むしろ、積極的に取り組んでいます。
当社の事業セグメントは、大きく分けて三つあります。一つは日立グループとともに首都圏でのシステム開発を手がける事業セグメント。二つ目はおよそ300人体制で当社が担当する東北と北海道の地域ビジネスを手がける事業セグメント。三つ目はパッケージ型の製品開発を約100人体制で手がけるセグメントです。重点的に伸ばすべきは、二つ目と三つ目の地域ビジネスとパッケージ型の独自製品の開発ビジネスです。
ただ、この二つを伸ばすには、最先端の技術を習得する機会が必要なわけで、このために日立グループとともに大型案件の経験も積んでいくことが欠かせません。ここで得た技術やプロジェクト管理のノウハウを、地域ビジネスや当社オリジナルのパッケージ型製品開発に生かしているのです。
──東北・北海道の地域ビジネスは、やはり官公庁や自治体系の官公需の比率が高いのでしょうか。民需は弱そうにみえますが……。 森 地域ビジネスにかなり偏見をもっておられるようですが、実態は違います。当社は1984年の設立以来、製造業や流通・サービス業をはじめとする地域の民需開拓に取り組んできました。地域ビジネス事業セグメントの売り上げの7割余りが民需で、官公需は3割弱ほどを占めるに過ぎません。確かに首都圏に比べれば、東北・北海道の民需の規模は小さいかもしれませんが、地域から全国、世界へ進出しているユーザーは決して少なくありません。
当社は地域に根ざした会社として、地元の製造業や流通・サービス業とともに成長してきました。必要な技術は日立グループから調達したり、地域の大学や研究機関との連携によって生み出したりしています。なかでも製造業で「計画系」と呼ばれる需給シミュレーションや、生産計画を支援する分野で伝統的に強みをもっている。1990年代から「Syn(シン)シリーズ」というシリーズ名でパッケージソフトを開発していて、地元はもちろんのこと、全国の製造業ユーザーに愛用していただいています。
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