ソフトウェアでの定義が主流に
──冒頭でネットワーク機器業界は大きく変化していると話されましたが、具体的にどう変化していますか。 ネットワーク機器は、ロードバランサーやファイアウォール、スイッチなどが代表的で、当社はロードバランサーに強いことで有名です。国内でもおかげさまで11年連続シェアナンバーワンをいただいています。とはいえ、ネットワーク機器単体の機能について、ライバル他社とああでもないこうでもないとやりあっても、正直、顧客の課題の解決には結びつきにくい。
顧客が抱える課題とは、端的にいえば業務アプリケーションによって得られる売り上げや利益が増えるというビジネス的なメリットをどう引き出すかということであって、多くの顧客にとってはITインフラはどうでもいいはず。サーバー仮想化全盛の時代、ハードウェアとしてのサーバー機器単体での競争が難しくなっているように、顧客からみればITインフラはさくさく動いて、情報セキュリティが万全であれば、それでいいんです。つまり“顧客起点”の考え方に基づけば、顧客が必要としているアプリケーションを快適に、かつ安全に動かすITインフラを提供する領域にこそ力を注ぐべきだと思います。
──サーバーやストレージの仮想化によって、ITインフラの拡張性、柔軟性は飛躍的に高まりました。ネットワーク機器も同様の拡張性、柔軟性が求められているということでしょうか。 そうですね。いわゆるソフトウェア・デファインド、ソフトウェアで定義されたITインフラと呼ばれるもので、近年ではIT機器を収納するデータセンターそのものもソフトウェアで定義する動きが出ているほどです。F5ネットワークス日本法人のトップの仕事を引き受ける前までは、正直に申し上げると、私も「ロードバランサーに強いF5」程度の認識しかありませんでしたが、調べてみると、F5ネットワークスはソフトウェア・デファインドのビジョンもしっかりもっていて、しかも非常にいいポジションにいることを知りました。
──具体的にはどんなポジションなのですか。 少し技術的な話になりますが、ネットワーク領域に求められているのは、サーバーやストレージの性能を最大限に引き出すとともに、アプリケーションの変化を柔軟に吸収し、かつ外部インターネットからの脅威を排除する情報セキュリティの能力です。F5ネットワークスは、これらの要求を満たす技術力と製品、サービスを品揃えしており、来るべきソフトウェア・デファインド時代をリードできる、そういうポジションです。
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