新ビジネスにはサポートが付いて回る
──MVNOの業務をBPOとして請け負うといった、かなり業種に特化したサービスメニューもありますね。このあたりはピンポイントで見込みのあるビジネスというお考えなのでしょうか。 新しいビジネスが生まれるとき、そこにサポートの仕事も生まれるという考え方です。今、MVNOの相次ぐ参入や、NTT東西による光回線の卸売り開始などで、コールセンター業界では電話営業による新規獲得に力を入れていますが、当社はその一歩先の、事業マッチングを見据えたかたちで伸ばしていきたい。例えば、外国人向けに携帯電話のSIMカードを提供したいが、サポートはどうしようというとき、うちのランゲージサービスがお役に立てるかもしれない。そうなると、旅行業界など、これまでとは全然違う業種とパートナーシップを組むこともあるのではないかと思っています。
──IoTの広がりも、事業の追い風になりそうですね。 家庭の中でもほとんどの機器がネットワークでつながるような時代になると思います。その一方で、「機能はあっても使えない」という場面がますます増えていくことにもなる。それを使えるようにしていくという考え方が、当社のベースですからね。サポートの幅はもっともっと広がる。非常に発展性のある事業だと考えています。

‘困ったときに来てくれる、頼りにされる存在。アドバイザーでもあり、優秀なセールスマンでもある。’<“KEY PERSON”の愛用品>細身の包丁が語る長年の釣果 趣味の船釣りで釣り上げた魚をさばく包丁。研ぎながら30年使い続けるうち、鞘の大きさに比べて刀身はずいぶん細くなった。休日の早朝、「また今日も釣りなの」とあきれる家族からも、釣りと包丁さばきの腕前は一目置かれているという。
眼光紙背 ~取材を終えて~
牛島社長の趣味は、物心ついた頃には始めていた釣り。沖合まで釣り船を出す本格派だ。聞くところによると、水面から数百メートルも深い場所にいる魚を狙うときも、糸を垂らす深さがほんの50センチ違うだけで、同じ船に乗っている仲間との間でも釣果が大きく変わってくるという。
牛島社長は、「みんな大きな方向性を考えるけど、最後に成功するかどうかはごくわずかな違いで決まる。同じようなことをやっているのに、大もうけする人もいれば、失敗する人もいるしね(笑)」と、釣りとビジネスには共通点があるという。
大局的なニーズをとらえると同時に、サービスの細部の設計まで徹底して考え抜くことができるか。質・幅ともに拡大を狙うサポート事業の成否が、牛島社長の釣り糸さばきにかかっている。(螺)
プロフィール
牛島 祐之
牛島 祐之(うしじま ゆうし)
1960年、東京都生まれ。84年、青山学院大学経営学部卒業。同年、NECネッツエスアイに入社。13年、執行役員。14年、キューアンドエー執行役員副社長。同年、NECネッツエスアイ取締役(現任)。15年4月より現職。
会社紹介
横河電機の社内ベンチャーとしてサポート事業を展開していた横河マルチメディアなどが前身。PCなど情報機器のオンサイト(訪問)サポート、電話サポート、コールセンター受託などを手がけている。2012年6月にNECネッツエスアイが資本参加し、13年6月よりNECネッツエスアイの連結子会社。