ソリューションでSMB市場を攻める
──前年同期と比較して、現状はいかがでしょうか。 今は再構築の案件が動き出しています。例えば自動車。システムのリプレース時期がきています。また、マイナンバーも好調です。ヘルスケアは昨年で大型案件が一段落しましたので、今年は小規模な案件ですね。このような要因があって、売り上げが伸びています。ただ、SIは取引先のオフィスに常駐するなど、お客様に依存するビジネスです。先ほどもお話ししたように人員も含めてSIだけでは生き残れない。早々にソリューションを軸にしなければ、利益が確保できない状況になります。現在は、ソリューションの売上比率が1割。これを3年で2割まで引き上げます。
──ソリューションを拡大していくためには、新しい策を講じる必要があるといえます。 そうですね。最も重要なのは、チャネルを増やすということだと考えています。実は当社のソリューションは、富士通グループで知られていないんです(苦笑)。そのため、マスで広がっていない。例えば、当社にはセキュリティソリューションとして「IT Policy N@vi」があります。これは、SMB(中堅・中小企業)に売れるものだと自負しているのですが、PRや営業が少ないため、競合ベンダーにお客様を獲られてしまう。
では、どうするか。まずは、当社自身もお客様にソリューションを提案できる営業を強化する必要があると考えています。当社はSEがメインの会社です。ただ、SEの社員も50歳を過ぎれば現場を離れて管理職として業務に携わるケースが多い。そこで、そのような社員をソリューション営業にしていきます。実は、当社の平均年齢は40歳で、50歳以上の社員が多いんですよ。その社員が、自分の食い扶持を自分で稼ぐと意識しなければ、会社は続かない。販売パートナーが、当社のソリューションを売りたいと思わせるよう、当社の社員のスキルアップも図っていきます。
──富士通グループが販社といえますが、他にも販路を構築するのですか。 富士通グループでいえば、中堅企業へのソリューション提供に特化している富士通マーケティング(FJM)とは、今まで以上にパートナーシップを深めていきたいですね。現在、FJMが営業、当社がSEという構図ですが、今後はFJMが営業、当社がSEとソリューション営業を配置して、FJMの営業担当者をバックアップするという環境を整えたいと考えています。他にも、SMBが得意なSIerとはパートナーシップを組んでいきたいですね。
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