ギャップを埋めて連携を促進させる
──なるほど、これまで人を観察したり、アンケートをとったりして調べてきたことを、今は脳を直接的に調べる技術が発達してきたので、もう直接調べてしまえということですね。 まぁ、実際にはまだ発展途上の技術が多いのですが、それでも日々進歩しています。AIにしても人間の脳のまねごとをさせるわけですので、脳そのものがわかっていないとAIの発展も望めません。ニューロコンピュータやディープラーニング(深層学習)なども脳の構造をベースとしていますし、こちらもまだ発展途上といえるでしょう。当社としては、学界や研究者と産業界の橋渡しをすることを目的に応用脳科学コンソーシアムを支援しており、このオープンなプラットフォームで、さまざまな研究者や業種・業態の専門家が知見をもち寄ることで、イノベーションを起こしていくことを狙いとしています。
──しかし、御社はビジネス・コンサルティングをメインとしている会社ですよね。一般的なコンサルティングのイメージとは少し違うような印象を受けます。 いや、もちろん当社は産業や金融、公共の幅広い領域で総勢200人からの専門知識をもったコンサルタントがコンサルティングサービスを提供しています。脳科学はあくまでもそのなかの一つです。
ただ、当社の特性を端的に示しているのが脳科学の領域であることもまた事実で、つまり、産学官の連携が活発化しているといっても、国や役所、学界、産業界のそれぞれのセクターって、やはりギャップがあるのですね。これらをうまく橋渡しし、相乗効果によってイノベーションを活性化していく役割を当社が担う。そして、ここで得た知見を顧客のビジネスに反映させていくことで、ビジネス・コンサルティング会社としての売り上げや利益を伸ばすことにつなげているわけです。
──御社はNTTデータが独立して、まだ間もない1991年に設立されていますが、設立当初からこうしたビジネスモデルだったのでしょうか。 設立のとき、私はNTTデータの経営企画部門にいたのですが、そのときの社内の議論は、SIerとして独立したからには、請け負いでのソフト開発やシステム構築だけでなく、いわゆる「上流工程」にもっと食い込んでいかなければならないというものでした。独立間もないNTTデータにとって、「上流」とはいったいなんぞやというところから始めなければならず、そうした「上流」を専門的に担う会社をつくろうとなって、当社ができたわけです。
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