顧客により深く踏み込んだ提案を
──ITコンサルティングを手がける企業として、今感じておられることを聞かせてください。 今のITは複雑になってきていますね。複雑になりすぎて、一般企業がITの流れを継続的にフォローする、IT人材を採用・育成していく、自社のITを中長期的に改善していくといったことに対するハードルが、だんだん高くなりつつある、そんな時代になってきているという気がしています。とくにモバイルが出てきてからちょっと大変になっている。そこをわれわれがフォローしないといけない。
──どのようにフォローしているのですか。 いろいろな方法がありますが、大きくは三つです。
一つ目は顧客により深く踏み込んで、われわれのITを提供していくということ。お客様のビジネスを知ることを重視しています。知らなければ、お客様の経営にわれわれのアイデアをどう応用したらいいのかわからなくなってしまいます。
二つ目はソリューションの提供。顧客とのやりとりのなかで、いろいろな知見がたまると「ソリューション」として標準化できます。例えば、地域金融機関向け業務クラウドサービスの「SKYBANK」がありますが、これはもともと別のソリューションでもっていた銀行のお客様から得た知見を標準化し、新たなブランドコンセプトでつくりなおしたものです。すでにお客様も獲得しています。こうしたように標準化したものができれば、それをより多くのお客様に提供することができます。
三つ目が、ITアウトソーシング。お客様が自身で情報システムを運営することが難しい場合のアウトソーシングです。われわれはデータセンターサービスも含めてやっているので、お客様のリクエストに応じてそうしたことを引き受けるケースも増えてきています。
──手段が多岐にわたっていますね。 そこまでできないと、むしろお客様の負担が大きくなってしまいます。新しい技術を取り組んでいくことも含め、われわれがどこまで深くお客様のITを肩代わりをしていくかということを、しっかり覚悟をしながらやることが大事だと思っています。
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