パートナーとの情報共有を強化
――コトの訴求には今まで以上に販売パートナーの協力が必要になると思います。訴求力を強化するために、パートナーとどのように取り組んでいきますか。
これまでは商品の良さ、セールスポイントをパートナーに伝えてきました。今は、コールセンターに届いたお客様の声をまとめて、パートナーに伝えています。そしてお客様にどのようにアプローチするか、どのようなセールストークが効果的か、一緒に話し合っています。また、問い合わせ件数の多い質問を事前に知ることで、セールス担当者は自信を持ってお客様のところに説明に行けるという効果もあります。パートナーから大変評判がいいです。
――今後の販売パートナーへの支援についてどのようなことを考えていますか。
まだ検討段階ですが、テクノロジーを活用した情報提供の仕組みを考えています。具体的な内容はまだ固まっていませんが、パートナーにとって便利なアシスタントツールを作りたいと考えています。
Favorite Goods
2016年1月発売のSmart Canvasのエヴァンゲリオンシリーズ。当時、第4の柱としてウェアラブル事業を強化。鈴村氏はこの企画のメイン担当だった。これは売れると取り組んだ思い入れのある一品。現在、販売は終了している。
眼光紙背 ~取材を終えて~
社員との距離の近さが武器
エプソン販売が、第2中期経営計画と同時並行で進めているのが社内改革だ。鈴村社長が就任してすぐに取りかかった。
売り上げ、成長率など、数字で示すことができる目標は、ひと目で分かりやすく、また社員にも伝えやすい。ところが鈴村社長がいま取り組んでいることは、エプソン販売をよりよい会社にし、社員によい働き方を実践してもらう、という抽象的な目標だ。
まず、目標を明確化するため、取締役メンバーと協議を重ね、同時に社員からのヒアリングも実施している。その時、社員とどれだけ腹を割って話せるか、コミュニケーションの質が重要になる。
これまでのエプソン販売の歴史の中で、鈴村社長は生え抜きでトップに上り詰めた初の人物だ。佐伯直幸前社長(現・セイコーエプソンの執行役員営業本部長)もエプソン販売での経歴が長いが、セイコーエプソンに入社し、その後、エプソン販売に異動した。
そうした意味で、鈴村社長と社員の距離は近い。「社員にとって私は気を使わなくていい社長だと思いますよ」と笑う。実際、社員から話しかけやすくなった、垣根がなくなったという声を聞いた。「このメリットを十分に生かす」と鈴村社長は語る。社員が潜在的に抱いている未来のエプソンのイメージ。それを明確化して行くことも鈴村社長のミッションだ。
プロフィール
鈴村文徳
(すずむら ふみのり)
岐阜県出身。1990年4月にエプソン販売に入社。98年にカラリオマーケティング部門に配属。2009年にプロダクトマーケティング部長、13年4月にBP MD部長、14年6月に取締役、14年7月に取締役 販売推進本部長、17年4月に取締役 スマートチャージSBU本部長、19年4月に代表取締役社長に就任。
会社紹介
エプソン販売は、1983年にEPSON製品の国内販売会社として設立。95年にコンシューマー向けプリンタ「Colorio(カラリオ)」シリーズを発売。ビジネス向けプリンタとしては、98年にカラーレーザープリンタ「LP-8000C」の販売をスタートした。主力製品はプリンタをはじめプロジェクター、PC、POSシステム、業務ソフトなど。直販営業だけでなく、全国に事務機ディーラーなどの販売店網を展開する。2018年3月期の売上高は1863億円で、2018年4月1日時点の従業員数は1749人。