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日本にエクスペリエンスマネジメントの文化を醸成する

クアルトリクス カントリーマネージャー

熊代 悟

取材・文/大蔵大輔 撮影/大星直輝

2022/12/05 09:00

熊代 悟

週刊BCN 2022年12月05日vol.1948掲載

 デジタルトランスフォーメーション(DX)が成熟する中、新たなアプローチとして「エクスペリエンスマネジメント(XM)」が注目を集めている。同領域の先駆者としてグローバルで事業を展開する米Qualtrics(クアルトリクス)は、今年で創業20周年を迎えた。日本市場参入は2018年からと日は浅いが、グローバル戦略におけるTier1マーケットとして急成長を遂げている。日本法人の立ち上げからかじ取りを任されてきた熊代悟カントリーマネージャーは、さらなる市場拡大のためにパートナー戦略を軸にした「XMの文化醸成」に意欲を燃やす。
(取材・文/大蔵大輔  写真/大星直輝)

導入支援でXMの効果を高める

――18年に日本で事業を開始し、今年で5年目を迎えました。

 日本法人を立ち上げたときの社員は私を含めて二人でしたが、現在は100人を超えるところまで拡大しました。新型コロナウイルス感染拡大などの世の中の大きな変化もあり、まさにジェットコースターのような5年間だったと感じています。当社サービスの強みは単なるアンケートとは異なり、分析した結果を社内の誰に示すべきか、どんなアクションを起こすべきかというところまでトラッキングできることです。さらにそのプロセスを定着させるための支援を行うことで、お客様を成功に導きます。一部のエクスペリエンスにフォーカスしたサービスは他にもありますが、顧客・従業員・製品・ブランドの四つの領域を一つのプラットフォームで包括しているのはクアルトリクスだけです。

――日本におけるXMの認知はどのように広がってきていますか。

 日本でもCX(顧客体験)という言葉自体は、18年時点でそれなりに認知されていましたが、EX(従業員体験)に目が向けられ始めたのは最近のことです。コロナ禍によってリモートワークが浸透したことで、従業員をケアしなければという流れが加速し、引き合いが増えています。ただ注意が必要なのは、XMソリューションは導入してすぐに成果が出るものではないということです。XMの価値を理解していただくには時間がかかります。DXは業務をデジタルに置き換えるだけではなく、それを使いこなすために従業員のコンピテンシー(能力・適性)が求められますが、それはXMに対しても同じことが言えます。成功のためには、XMの文化をいかに醸成していくかということが重要です。

――クライアントの業界や事業規模に変化はありますか。

 SaaSということもあり、業界や事業規模を問わず、それぞれに合った使い方ができるように設計されています。もっとも参入時は口コミを重視する日本市場の傾向を意識して、大手企業の導入に注力し、認知度を広げる戦略をとっていました。現在はその成果が出てきたこともあり、業界や規模を問わず採用していただけるようになってきました。また、6月に米Amazon Web Services(アマゾン・ウェブ・サービス)を利用した国内データセンターを開設したことで、厳格なセキュリティ要件が存在する政府機関や金融機関にもサービスを提供できるようになりました。米国ではすでにFedRAMP(クラウドセキュリティ認証制度)を取得していますが、日本でもISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)の取得を視野に入れています。

――XMを浸透させる上で、日本市場ならではのハードルはありますか。

 日本企業は1対1の対応力はとても高いのですが、組織対組織となると自分の管轄以外の業務に関わるのに消極的で、体験の質が下がっているというケースが多くあります。コールセンターで拾い上げたユーザーの声が営業部門には共有されていないといった具合です。欧米では企業内で横断的にCXを管理する部門が立ち上がるなど、XMをフル活用できる環境が整いつつありますが、日本企業はまだこれからという印象を受けます。XMの効果を最大限に実感していただくためにはこうした組織のあり方を変えていかなければなりません。当社ではプラットフォームをより効果的に使っていただくための支援も行っているので、徐々に成熟度は上げていくことができると考えています。
この記事の続き >>
  • 成長のかぎはパートナーとの共創
  • 認知度高め、全国に訴求

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外部リンク

クアルトリクス=https://www.qualtrics.com/jp/