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アズ・ア・サービス化で業際領域へ進出する

日本電子計算 代表取締役社長

茅原英徳

取材・文/安藤章司 撮影/大星直輝

2023/10/23 09:00

茅原英徳

週刊BCN 2023年10月23日vol.1989掲載

 日本電子計算(JIP)は、自社パッケージソフトなどの知財を駆使したアズ・ア・サービス化を推進していく。金融や証券、自治体などの多様な業種向けのパッケージソフトやSIコアを自社開発する中、「業界横断的なアズ・ア・サービスの領域への進出によってビジネスの幅を広げていく」(茅原英徳社長)方針だ。業際ビジネスの推進に当たってはNTTデータグループとの連携をより深めつつ、2030年度をめどに足元の連結売上高に100億円を上乗せした年商500億円への成長を視野に入れる。
(取材・文/安藤章司  写真/大星直輝)

夢のある人は、よく目標を立てる

――今年6月19日の社長就任から4カ月が過ぎました。これまでにどのような経営指針を打ち出してきましたか。

 「夢のある人は、よく目標を立てる」といいますので、まずは区切りのよい「2030年にありたい姿」を役員や社員と再確認しました。当社はSIerであるものの、自社開発のパッケージソフトやSIコア化を積極的に進めており、自社のソフトウェア知財をベースとした売り上げがITソリューション事業全体の7割を占めています。

 例えば、証券業向け総合システム「OmegaFS(オメガエフエス)シリーズ」や自治体向け総合行政システム「WizLIFE(ウィズライフ)」、大学入試・教務システム「CampusLink」など多岐にわたり、これらのパッケージやSIコアのアズ・ア・サービス化を推進していきます。システム同士をオンラインで連携させることで、利便性の高い連携といった新しい需要や市場創出をしていきます。

――業際的なビジネスを増やすという意味でしょうか。

 当社は金融や証券、自治体などの幅広い業種向けにITサービスを提供しているのが強みです。それぞれの業種向けのパッケージソフトやSIコアを開発しており、前述のOmegaFSシリーズは全国53社のユーザー、WizLIFEは95団体、CampusLinkは42大学と多くのユーザーを抱えています。強みの業種を深掘りしてビジネスを伸ばしてきましたが、アズ・ア・サービスやマイクロサービスの設計思想を積極的に取り入れることで、業界横断的なビジネス領域へ進出していきます。

 特定業種から業際的な領域へとビジネスの幅が広げられるアズ・ア・サービス商材やITソリューションの拡大、さらには社会課題を解決するビジネス領域へと進んでいくのが狙いです。1962年の創業から60年余り、業種に強いSIerとして約600社のユーザーを持つに至り、中には数十年にわたって取引させていただいている企業もあり、ユーザーが抱える課題に長年にわたって真摯に向き合ってきた自負があります。一方でこうした姿勢によって、業際的なビジネスを伸ばす機会を見過ごしてきた可能性もあります。30年を見据え、当社独自のサービスによって業種の垣根を越えた常に新しいことに挑戦する土壌を育んでいきます。

 私が社長に就任してからは役員合宿や社員向けのメッセージで、「できない理由を、できる理由に変えていく大切さ」を説いてきました。新しい技術の登場によって、昨日まで不可能だったことが可能になる時代です。柔軟な発想で独創性あるビジネスを創出することが成長のかぎになります。
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外部リンク

日本電子計算=https://www.jip.co.jp/