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日本緊急通報サービス、KDDI 緊急通報サービスをGPSケータイで

2002/05/20 16:18

週刊BCN 2002年05月20日vol.941掲載

 日本緊急通報サービス(長倉眞一社長)とKDDI(小野寺正社長)は、「GPSケータイ」を活用した緊急通報サービス「HELPNETケータイ」を共同開発し、6月7日からサービス開始する。日本緊急通報サービスは、高度道路交通システム(ITS)推進を目的に自動車メーカーなど複数の企業が出資し1999年に設立した企業。昨年から自動車専用緊急通報サービスを展開している。今回、KDDIと共同でGPSケータイ上で利用できるサービスを開発、自動車事故だけでなく、けがや事件などの汎用的なトラブルに対応。GPSケータイの4月末の契約台数の1%、1万ユーザーの獲得を目指す。

「HELPNETケータイ」

 日本緊急通報サービスは、情報通信機器を活用し、警察、消防などへの通報接続などを行うことを目的に99年に設立。トヨタ自動車、松下通信工業、セコム、NECなどが出資している。

 「産官学連携で、高度道路交通システムの開発、提供を行っている。交通事故が発生した場合、警察などが通報を受理するまでの時間を短縮することで救命率が向上するが、事故発生場所の位置把握が曖昧な場合、現場到着までの時間短縮がはかれない。緊急通報システムでは、GPSによる位置検出で短期間での位置把握を目指している」(長倉社長)。

 すでに01年から、自動車専用の緊急通報サービス「HELPNET(ヘルプネット)」の営業を開始しており、今回KDDIのGPS機能付き携帯電話「GPSケータイ」を活用した緊急通報サービス「HELPNETケータイ」の提供をスタートする。

 サービスの仕組みは、緊急事態が発生した場合通報を行い、日本緊急通報サービスのオペレータに接続。状況などを確認後、オペレータが警察など公共機関に連絡し、現場に救援に出向く。自動車の場合は、エアバックと連動し、ワンタッチで発信することも可能。通常は救援が現場に到着するまで15分程度かかるが、8-9分ですむ。新サービスについても同等の時間短縮が可能だとする。

 携帯電話を利用することで、自動車事故だけではなく、生活のあらゆる緊急事態に対応できる。サービス申し込みも、KDDIが提供するEZweb上での入会だけと簡単だ。料金もKDDIが回収代行を行う。入会金は無料で、月額315円。

 日本緊急通報サービスでは、「今後KDDI以外からGPS機能付き携帯電話が登場した場合には他社との連携もあり得る」という。

 加入者見込みとしては、「当社では携帯電話、自動車含め05年時点で15万会員獲得を目指している」としている。
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