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インターネットナンバー 特許ビジネスや海外進出に意欲

2003/04/28 19:17

週刊BCN 2003年04月28日vol.988掲載

 インターネットナンバー(柳生直人社長)は、特許を軸にした新しい収益モデルを5月の連休明けから順次立ち上げる。これまでは、番号をウェブアドレスに変換するサービスを収益基盤としてきたが、今後はこれに加え、新しく特許の使用許諾(ライセンス)の販売や海外展開などにも注力する。同社は3月の経営体制刷新後、コスト削減に向けた取り組みを活発化しており、すでに「経常ベースでは単月の収支がトントン」(柳生社長)となった。また、新経営体制に移行したことによるインターネットナンバーサービスへの支障は出ていない。今後は新たなビジネスモデルによる収益の上乗せで、1996年のサービス開始以来、今年度(2004年3月期)に初の単年度黒字化を目指す。

新規収益モデルの確立を急ぐ

 ソニー、GEキャピタル、UFJ銀行などが主要株主のインターネットナンバーは、今年3月6日、臨時株主総会を開き経営陣を刷新。柳生社長をはじめとする新しい経営体制を発足させた。

 新体制の発足後、まずは「これまで水膨れぎみだった」(柳生社長)経費を大幅に削減。昨年4月時点では、社員数約30人で月間約3500万円かかっていた経費を、今年4月時点で社員数10人、月間経費約1500万円にまで圧縮した。これにより、既存顧客からの収益と費用がバランス化し、「単月でほぼ収支が見合うようなった」(同)という。

 インターネットナンバーは、番号をウェブアドレスに変換するサービスに関連した特許を約70項目申請している。このうち、主要部分については昨年4月に特許査定が下り、番号を変換するという根幹部分が特許により保護されたという。また、根幹部分の約70項目に付随して、さらに30-40種類の関連特許も申請している。

 日本だけでなく、同様の特許を世界25か国に申請済みで、すでにシンガポール、オーストラリア、ロシアなどでは、全面的に特許が取得できたという。同社は台湾と米国に拠点を開設しており、「今後、米国やアジアを中心に、海外展開にも力を入れる」(柳生社長)と、本格的な海外進出に意欲を示す。

 柳生社長は、「これまでのビジネスモデルは、サービスの普及に主眼が置かれていた。今後は、ライセンスの貸与などの新規収益モデルも構築していきたい」と話す。

 現在、これら取得した特許を収益に結びつける新しい収益モデルの組み立てに力を入れており、来月上旬以降、順次発表する見通し。

 インターネットナンバーは、主にKDDIなどのEZウェブやLモードなどの携帯電話や情報端末の公式サイトとして採用されているサービス。数字を使って簡単にウェブに接続できることから、1100社の企業・団体が同ナンバーを取得している。

【お詫びと訂正】インターネットナンバーに関し、コンピュータ・ニュース社(BCN)のニュースウェブサイト「WebBCN」の3月18日付の配信記事、および3月24日付のBCN本紙8面記事におきまして、事実誤認による不正確な報道がありました。お詫びして訂正します。
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