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日本アバイア 中小企業向けIP市場に参入

2003/07/07 19:28

週刊BCN 2003年07月07日vol.997掲載

 企業向け音声・データネットワークを手がける米アバイアの日本法人である日本アバイアは、中小企業(SMB)向けIPコミュニケーション製品を日本市場に投入し、国内の事業体制を強化する。今年は既存のパートナーに加え、SMB市場開拓に必要な新規の販売チャネルを積極的に拡充し、2004年以降に営業を本格化させる。SMB市場で実績を上げた後には、日本のSOHO・家庭市場向けにも製品を投入し、IP市場で高いシェアを占めるシスコシステムズなど競合会社に対抗していく。

販売チャネルを拡充へ

 7月中旬には、IPコミュニケーション製品「Avaya IP Office(アバイアIPオフィス)」を代理店を通じて販売開始する。同製品は、社員250人以下のSMBや同50人以下の大企業の支社向けのオールインワン型IP電話システム。PBX(構内交換機)機能やデータ・音声ネットワーキング、ファイアウォール、ボイスメール――などの機能を1台に集約したのが特徴だ。従来は、PBXやデータ・ハブ、ルータなど専用機器を必要としていたが、同製品を導入すれば、これら関連機器のコストが削減できる。

 米アバイアのデイブ・ロビンソン・SMBグループプロダクトバイスプレジデントは、「SMB市場を狙った製品が沖電気工業から出ているが、音声とデータを融合した製品では競合会社がない」と、競争優位性を強調する。同製品のラインアップは、IP内線数100回線に対応の「IP Office403」、同180回線の「IP Office406」、同256回線の「IP Office412」の3機種。いずれも、IP、デジタル、アナログの各内線電話が混在する環境で導入できる。これに付随するアプリケーションソフトも豊富で、IP電話やボイスメールシステム、小規模コールセンターなどの構築ソフトを揃えている。価格は100ユーザーまでの最小構成機種で、44万5800円から(希望小売価格)。

 同社は「ワールドワイドでのIPオフィス市場規模は110億ドル。日本は米国に次ぐ市場」と見込む。日本では今年中に2、3社のディストリビュータを育て、セールスのスキルを上げることに専念する。今年は、PBXなどがアップグレードされるなかで、段階的に同製品が導入されてくるはず」と、販売の拡大に自信を示す。04年以降は、同製品を本格的にSMB市場に投入するが、これと並行して、競合会社であるシスコシステムズがリンクシスを買収しホーム分野に参入することから、「Small Office(スモール・オフィス)」(仮称)というSOHO向け製品の発売も念頭に置いている。
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外部リンク

http://www.avaya.co.jp/