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コンピュータウェーブ 組織を大幅に変更 営業担当者をMD本部に

2003/10/13 19:35

週刊BCN 2003年10月13日vol.1010掲載

 コンピュータウェーブ(辻本和孝社長=写真)は新年度(2004年9月期)入りを機に大幅な組織変更を行った。商品の仕入れを行うMD本部をMD1部とMD2部に拡充。営業人員の大半をMD本部に移し、競争力のある商品を仕入れるマーチャンダイジング機能を強化した。新組織により、黒字化体質への改善を図る。組織変更では、商品の発掘・開拓を行うMD本部を強化したほか、IT本部の中にあったEC関連の営業組織をコンシューマ営業本部に組み入れ、営業本部をコーポレート営業本部とコンシューマ営業本部の2本部体制に再編した。

 また、管理本部から管理部と経営企画室を切り離して経理部および総務部に変更、業務本部を新設して重複していた社内業務を集約した。さらに、管理本部長以外の本部長についての人事も刷新した。大幅な再編を行ったのはMD本部と営業組織だ。営業担当者の大半がMD本部に異動。辻本社長は、「顧客と接点がある営業担当者が商品の仕入れを行うことで競争力があり、なおかつ顧客のニーズにあった商品を仕入れる」と話す。MD本部は、商品を仕入れる一方で、営業組織の支援も行っていく。

 MD本部の人員については、これまで仕入れ関連の業務担当者が業務本部に異動したことで、「人員を増やさず、昨年度とさほど変わらない20人強の体制を維持する」という。「MD本部の質を高めていくことで売上高や粗利の改善につなげる」と話す。組織変更について、辻本社長は、「ビジネスソフト市場が成熟期に入っている。利益を伸ばすには、メーカーから大量に商品を仕入れて、販売店に安い価格で提供するという、これまでのディストリビュータとしての役割を変えなければならない」と強調する。昨年度(03年9月期)は、売上高が前年度比10.1%減の490億1100万円で、経常損益が7億1500万円の赤字(02年度は4億200万円の黒字)、当期純損益が6億8800万円の赤字(同2億1600万円の黒字)の見通しだ。

 今年度は、前年度比6.1%増の520億円の売上高を見込んでおり、利益が「黒字に改善する」(辻本社長)ことを目指す。同社の創業は1989年。マッキントッシュ用ソフトウェアのディストリビュータとしてスタート。95年からウィンドウズ用ソフトウェアの取り扱いも開始し事業を成長に乗せ、02年7月30日にジャスダック市場に上場した。現在、内外約3000社のソフトウェアベンダーからソフトウェアなどデジタルコンテンツ約4万点を仕入れ、日本全国約4000店のリセラーに商品を卸している。
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