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日本システムディベロップメント ソリューション事業の立ち上げ急ぐ 品揃え増やし、人員も拡充

2003/10/20 19:35

週刊BCN 2003年10月20日vol.1011掲載

 ソフト開発の日本システムディベロップメント(小岸勲社長=写真)は、ソリューション事業の大幅拡充を図る。同社のソリューション事業は、主に海外のパッケージソフトを活用し、国内でのシステム構築を手がける事業を指す。この10月から同事業を担当するソリューション本部の人員を約200人体制に拡充。今後、2-3年のうちに、パッケージソフトの種類を現在の約20種類から約100種類に増やし、人員も約500人に増やす。

 同社は、ソフトウェアの受託開発が売上高全体の約85%を占める。だが、情報サービス市場の伸び悩みの影響を受け、昨年度(2003年3月期)の連結売上高は、前年度比12.1%減の367億円に落ち込んだ。これを受けて、今年4月から始まった07年度(08年3月期)までの「5か年計画」では、新しい収益事業の柱として、主に海外のパッケージソフトをベースとしたシステム構築事業を立ち上げる。

 4月には、若手社員を中心に約120人の体制で約20種類のパッケージソフトの取り扱いを始めた。この10月からは、既存部門から約80人追加して、同事業を担当するソリューション本部の人員を約200人体制に拡充した。今後、約100種類に増やす計画のパッケージソフトは、開発ベンダーとの販売代理店契約の方式もあれば、より密接な業務提携、資本提携もあり得る。また、買収して子会社化するなど、パッケージベンダーとのさまざまな協業体制を探る。

 現段階でのソリューション本部の売上比率は全体の数%程度。だが、5か年計画では、年商100億円規模まで拡大させる。これまで受託開発が売上高の大半を占めてきたが、今後はパッケージソフトを基盤とした提案型の営業力強化を図る。同時に、パッケージソフトの納入に際して発生するカスタマイズ(追加のソフト開発)にも力を入れる。一方、同社ではソリューション事業立ち上げのための教育費や業務提携にかかる費用として、今後2-3年で、総額50億円の投資を見込む。これに加えて、提案型のビジネスに見合う新しい人事制度の導入も検討していく考え。

 小岸社長は、「顧客や市場の変化に適応するために投資をする。新しい人事制度のキーワードは『敗者復活』。100種類ものパッケージソフトを扱うなかで、当たるものもあれば、当たらないものもある。成功すれば評価するのは当然だが、失敗しても、再び新しいソリューションを担いで、復活できる仕組みを強化する」と語る。「例えば、50億円投資してソリューション本部約500人の人材を育成しても、その人材が社内に残らなければ、投資は無駄になる。これではリスクが大きい。育てた人材が新しい商材を担いで何度でも挑戦できる体制をつくることで、会社全体のビジネスの在り方を再構築する」と話す。同社はグループ全体で約3000人の人員を擁する。ソフト開発を基盤としながらも、一方でソリューション事業を立ち上げ、新しい技術やノウハウを取り込み、グループ全体の営業力・開発力の底上げを図る。
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