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ソニー 第2次構造改革を実施 「グループ総力戦」でデジタル家電に集中

2003/11/03 19:37

週刊BCN 2003年11月03日vol.1013掲載

 ソニー(安藤国威社長)は、創立60周年を迎える2006年度に向けた第2次構造改革を発表した。金融を除いた06年度(07年3月期)連結営業利益率10%達成を実現するため、固定費削減を実施するとともに、エレクトロニクス事業の技術とリソースの融合を図る。エレクトロニクス事業の柱になるのはデジタル家電だが、「これまでのデジタル家電はパソコンをベースとしたものだったが、今後は逆にパソコンがデジタル家電のサブセットとなる」(久夛良木健副社長)と、主役はパソコンではないと位置づける。その上で「最強のコンシューマブランド確立を目指す」(出井伸之会長兼グループCEO)とブランド強化を目指す。

 ソニーが10月23日に発表した03年度(04年3月期)中間連結決算は、売上高が前年同期比3.2%減の3兆4007億円、営業利益が同51.3%減の498億円、税引前利益が同51.8%減の798億円、当期純利益が同66.4%減の340億円と減収減益となった。出井会長は「悪いところばかり伝えられたが、エレクトロニクス事業は中国市場が立ち上がるなど明るい材料は多い」とプラス面を強調する。

 今回発表した新しい経営方針は、今年5月28日に発表した経営方針を「さらに具体的に説明したもの」とした。

 だが、現状の問題点を打開するために、第2次構造改革として、03年度から05年度までの間に、エレクトロニクス部門で3000億円、その他の部門で350億円の構造改革予算を計上し、①戦略事業への集中、②製造部門を強化し、より付加価値の高い生産体制の整備、③世界各国の生産体制の見直し、④3年間で国内7000人を含む2万人の人員削減、⑤一般購買やリースレンタルなど非生産財関連の固定費の削減と生産財調達の改革――などを実施する。

 こうした施策により、06年度には今年度に比べ、エレクトロニクス部門で3000億円、その他の部門で300億円の固定費を削減する。

 一方、同社の成長戦略のカギを握るのがデジタル家電だ。「デルがテレビの販売を開始し、マイクロソフトがリビングで利用するウィンドウズXPメディアセンターエディション2004を発表するなど、業界の境がなくなっている。ソニーとしてはパソコン、携帯電話やデジタルカメラなどモバイル機器、テレビなどの家電、ゲームという4つの柱について、他社にないユニークな商品を提供し、収益をあげていく」(出井会長)と独自性を重視していく。

 年末に発売予定のホームサーバー「PSX」はゲーム専用機プレイステーション2をベースとしたものとなっているが、「PSXは第一弾の製品。これ以降、次々にデジタル家電、サービスへと展開させていきたい」と、ゲームをデジタル家電のベースと位置づける。パソコンではなく、自社テクノロジーであるゲームをベースにしたデジタル家電がソニーの他社にない特徴となる。

 PSX移行のロードマップについては、「ブロードバンド・メディアサーバー」という名称で新しい製品を開発中であるとして、「詳細は現時点で説明することはできないが、さらに強力な製品を開発中」(久夛良木副社長)だという。

 また、「パソコンを例にとるまでもなく、デジタル事業では半導体が重要なカギを握る」という見方から、社内の半導体事業を結集し、新たなアーキテクチャを開発するなど独自技術にこだわった展開を進めていく方針。
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