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ベリタスソフトウェア データ保護ソフトの新ラインアップ発表 ユーティリティ戦略シフトを加速

2003/11/17 19:37

週刊BCN 2003年11月17日vol.1015掲載

 ベリタスソフトウェア(ゲイリー・ブルーム会長兼社長兼CEO)はこのほど、企業のデータ保護ソフトウェアの統合製品「エンタープライズデータプロテクション(EDP)」の新たな製品ラインアップを発表した。今年6月に発表した「ユーティリティコンピューティング」戦略へのシフトを加速する第1弾の追加製品として、「業界初の新しい統合機能を備えた重要な新製品の発売となった」(ブルームCEO)という。同社は今回のリリースにより、世界で包括的なパートナー戦略や技術提携、ブランド戦略などを本格化する。

 同社は11月4日に米ニューヨークで記者会見を開き、一連のEDP製品を発表した。ブルームCEOは、新ラインアップについて、「今年の最も大きな新製品発表だ」として、「ユーティリティ」戦略の基幹サービス「コマンドセントラルサービス3.5(CCS)」を重要製品として公表した。

 同サービスでは、新たにデータストレージなどバックアップ環境でコンプライアンス(法令遵守)情報や使用量などをネット管理者がリアルタイムに把握できる機能を加えた。これにより、「企業のIT部門をコスト(費用)を管理する所からプロフィット(利益)を生み出す部署へと変革する」(ジェレミー・バートンCMO)としている。

 このほかにも主力製品の新ラインアップとして、ディスクとテープの両方で一貫した高速バックアップ機能を追加したバックアップソフト「ベリタスネットバックアップ5.0」と、64ビット版ウィンドウズサーバーなどをリモートでネットバックアップする「バックアップエグゼック9.1フォーウィンドウズサーバーズ」のほか、データの種類・重要度に応じてデータ保存のスケジュールや保管形態を管理できる「ベリタスデータライフサイクルマネージャ5.0(DLM)」の3製品をリリースした。

 DLMはネットバックアップ5.0とバックアップエグゼック9.1と連携して、データをインデックス化して保存できる。

 これらの製品と、10月下旬に発表されているクライアントパソコンのデータ保護オプション製品「ベリタスデスクトップアンドラップトップオプション(DLO)」を合わせれば、企業内に散在するデータをサーバーやクライアントの別を問わず、しかも新たなハードウェアを追加せずに一元的に自動保護できるようになる。

 各製品の日本での出荷は、ネットバックアップ5.0とバックアップエグゼック9.1の2製品が12月中旬、DLOが2004年1月、DLMとCCSは04年前半を予定している。

 今回の新製品リリースで、同社の戦略が新たな段階に入ることから、「今後は、OEM(相手先ブランドによる生産)提供や技術面で提携していた大手ITベンダーだけでなく、システムインテグレータやコンサルティング会社も魅力的なパートナーになる」(バートンCMO)として、新たなチャネル開拓を推進していく方針だ。
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