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蝶理情報システム 中期経営計画を策定へ 設立20周年機に体質改善図る

2004/03/01 20:24

週刊BCN 2004年03月01日vol.1029掲載

 蝶理情報システム(繁澤宏明社長)は、2004年度(05年3月期)スタートで06年度(07年3月期)を最終年度とする中期経営計画を策定する。会社設立から20年を経たのを機に、開発や品質管理などの体制を徹底的に見直し、基礎体力の強化を図る。同時に、従来は少なかった他社とのコラボレーションも積極的に行い、顧客層の深耕や事業領域の拡大を図る。この中期経営計画を通じ、計画終了後の07年度以降は経常利益ベースで7億円を安定的に確保できる体制を目指す。

 景気が回復途上にあることで、企業業績にも改善の兆しが見られるようになったが、情報化投資が本格化するには、まだ時間が必要。その一方で、情報化投資本格化時には、情報産業側も淘汰の時代に入ると判断し、体質改善を図ることにした。

 まず04年度は、インフラ整備と従業員のマインドの変革を進める。製品の品質向上を個人の資質に頼らずに実現するため、オートマチカルに把握できるよう管理手法の見直しを行う。

また、06年度までのロードマップを策定し、各年度や四半期ごとのミッションを明確にするとともに、戦術面の軌道修正も即座に行えるようにする。これらにより、製品開発のシステムを徹底的に洗い直し、基礎体力の向上を目指す。

 顧客対応力の向上については、他社とのコラボレーションを活用する方針。従来は自社の得意分野を中心にパッケージと受託開発を2本柱として事業展開してきた。しかし、顧客ニーズが複雑化するなか、自社開発だけでは対応に限界が生じる可能性もある。

 このため、他社とのコラボレーションを積極活用しながら、自社の持つリソースを発展的に投入できる体制を整備し、既存顧客の深耕と業務領域の拡大を目指す。

 また、収益の安定を図る面から、パッケージ部門も強化する考えだ。受託部門の拡大はリスクの増大を伴うため、パッケージ部門の拡大を優先する。ポイントの1つとして想定しているのが、ストリーミングなどの通信系パッケージ製品の拡大。競争は激しいものの、ハードと一体になって世界的に巨大な市場に成長すると見込まれるだけに、ターゲットは絞り込まず、多角的にトライしていく方針だ。

 さらに、今春予定している国際品質管理・保証規格ISO9000シリーズの取得と連動させる形で、販売手法についても見直す。具体的には、顧客重視を最重点項目とし、顧客との接点を保ちながらニーズを見きわめられる体制を作る方針。これまでに積み上げてきた販売部隊の個人のスキルを整理し、ISOと連動させることで、同社固有の販売力を獲得するのが目標。

 当面は先行投資も引き続き必要なため、利益水準の急回復は見込まないものの、中期経営計画終了後の07年度以降は、安定的に7億円以上の経常利益を確保できる体制を目指す考えだ。
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