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米ファウンドリーネットワークス、10ギガビットの新製品でISPを開拓 ルータとスイッチを日本で先行発売

2004/03/29 20:24

週刊BCN 2004年03月29日vol.1033掲載

 米ファウンドリーネットワークス(ボビー・ジョンソン社長兼CEO=写真)は、10ギガビットイーサネット関連のルータとスイッチの各新製品を世界に先駆け日本市場に投入した。10ギガビット対応の堅牢な次世代IP網のニーズが高い国内のインターネットサービスプロバイダ(ISP)や通信事業者に対し、三井物産などのパートナーを通じた販売を本格化する。ジョンソン社長兼CEOは、「日本では、シスコシステムズがこの市場で圧倒的なシェアをもっているが、今回発売した新製品のような低価格のハイパフォーマンス製品はまだない」と、低価格の製品投入でシスコシステムズのシェアを奪う戦略を開始した。

 新製品のうちスイッチは、10ギガビットイーサネットでアップリンクポート(通信回線上り)を搭載したレイヤ2とレイヤ3に対応した「ファストアイアン・エッジ・スイッチ・Xシリーズ」のうち、ポート24個搭載の「FES X424」と48個搭載の「FES X448」の2製品。「レイヤ2とレイヤ3に対応したうえで、筐体をここまでコンパクトに集約できた製品はない。さらに、10ギガビットイーサネットを最大2ポート追加拡張できる」(ジョンソン社長兼CEO)と、ユーザーに応じて柔軟なシステム構成を組めると強調する。

 ルータの新製品は、同社の「次世代10ギガビットイーサネットルータ」の主力製品で、40ギガビットまで拡張可能なものとして初のISP向けメトロエッジルータ「ネットアイアン40G」を出した。第4世代のASIC(特定用途向け集積回路)を提供し、「ネットワークのサポートに伴う運営コストを削減し、インターネットデータセンター(IDC)など大容量のウェブホスティングのインフラ環境にも最適だ」(ジョンソン社長兼CEO)という。

 新製品は、日本法人のある東京と営業拠点のある大阪で直販するほか、三井物産やネットワンシステムズなど、商社やシステムインテグレータのパートナー企業を通じてチャネル販売する。日本ではこれまでに、NTTコミュニケーションズやNECのビッグローブなどISPのほか、楽天や野村證券、共同通信など約1500社にスイッチとルータを販売している。

 同社によると、日本のスイッチ・ルータ市場に占める同社の売上高シェアは、2003年度(03年12月期)が約12%。「今年度(04年12月期)は、シェア15%以上を狙う。世界的にIPv6の導入で先行する日本だけに、今後も世界に先駆けて新製品を投入して、シスコシステムズを脅かす」(ジョンソン社長兼CEO)と、シェア拡大を狙う。
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