ソフトウェア開発やソリューション事業を展開するアスキーソリューションズ(田北幸治社長)は、企業向けビジネスを強化して、将来的な株式上場を目指す。2004年10月には、大阪のシステム開発会社、インターネットテクノロジと合併、ビジネス系アプリケーションの開発を充実させ、企業向けソリューションの拡大を図る体制をつくった。このほか、「小ロット・低コスト」の組み込み系ハードウェアの開発や企業向けセキュリティソフトなどの製品ラインアップを増やし、直販体制を強化する。来年度(06年3月期)の売上高は今年度に比べ約3割増の約38億円を見込んでいる。

 アスキーソリューションズは02年6月、アスキーのネットメディア事業部が分離・独立して発足した。これまで、「パッケージソフト事業」と「ソリューション事業」を中心としたソリューションプロバイダとして業務を拡張してきた。現在は、ソリューション事業が売上高の約7割を占めている。

 ソリューション事業では、ここにきて、学習用のポケットパソコンやカラオケボックス用のリモコン装置などの専用端末を小ロット・低コスト・短納期で開発する組み込み系ハード案件が急速に伸びている。

 田北社長は、「アスキー時代のゲーム専用機MSXのノウハウがあり、この分野は得意としている。大手メーカーには扱えない分野で、競合も少なく、さらなる成長が期待できる」として、ノートパソコンに接続する電話機など、同社の開発能力を生かした独自端末の受注を来年度以降も拡大できるとみている。

 ソリューション事業では、これまで弱点だった業務アプリケーションの開発を、インターネットテクノロジのシステム開発ノウハウなどを生かして強化する。アプリケーションとしては特に金融、流通、産業系のセキュリティ製品を中心に開発を進める方針。

 パッケージソフト事業では、①セキュリティ、②eビジネス、③音声認識の製品ラインアップを拡充させる。なかでも、今年4月に完全施行の個人情報保護法に向けてセキュリティ製品を増やしていく。1月には電子メールによる情報漏えいを防止するフィルタリングソフト「サーフコントロール・Eメールフィルタ5.0」を発売したほか、2月にパソコンの不正利用を遠隔監視できる「デスクトップスカウト3.0」を出すなど、品揃えを増やし、複数のソフトを組み合わせ企業に提示する提案型ビジネスを推進する。

 また、eビジネス系でも、ウェブサイトのアクセスログ解析ソフト「サイトトラッカー7」をASP(アプリケーションの期間貸し)型で企業への提供を増やす。

 田北社長は、「当社のソフトは1から開発したものではなく、国内外の有望ソフトの版権を購入して、付加価値を加えリメイクしたのが大きな特徴。市場で普及する前のソフトを汎用的に利用できるソフトに仕立てている」と、アスキー時代に培ったノウハウを生かす。

 同社の売上高は今年度(05年3月期)約30億円を予定しているが、来年度は、企業向けビジネスが伸びることを見越し、約38億円を目指し、近い将来に株式上場を果たす予定だ。