【ソウル発】韓国ベンチャー企業で通信チップ開発の「イオネックス」は、自社CDMAモデムチップとソフトウェアを搭載した韓国産CDMA携帯電話を韓国市場で発売する。この携帯電話「SD280」は、LG電子が製造し、SKテレコム向けに供給する。イオネックスの「CDMA2000 1X規格互換モデムチップN1000」とこれを駆動させるプロトコルソフト「ECMS1000」を搭載。130万画素のカメラと64和音、韓国で開発されたWIPIプラットフォーム基盤(無線インターネット)を備えるなどマルチメディア機能を強化したことが特徴で価格は29万7000ウォン(約2万9000円)を予定している。

 このモデムチップは韓国初ということではない。三星電子が2003年5月に独自の技術でCDMAモデムチップ開発に成功し、プロトコルソフトまで開発しKTF向けに携帯電話「SPH-X9000」を発売したことはあるが、現在、生産は中断している。三星電子は技術開発を目的にチップを開発したが、経済性の面で輸出の方が効率が高いと判断したため生産を中止したと話している。

 イオネックスのチップは今後、LG電子以外にも供給される予定で、モデムチップの海外依存を緩和する効果があると期待されている。今まで韓国携帯電話メーカーは年間3兆ウォン規模で米クアルコム製チップを輸入していた。またプロトコルソフトもクアルコムに100%依存している。

 現在、全世界でイオネックスと台湾のVIA、米テキサス・インスツルメンツ(TI)、蘭フィリップスなど4社だけがクアルコムのCDMA通信規格と互換性を持ったモデムチップとソフトウェアライセンスを保有している。

 イオネックスはN1000以外にも10Mbpsのデータ転送速度を持つHSDPA方式の3.5G携帯電話用モデムチップも06年まで開発する計画で、東南アジアや中南米、インド市場向けにCDMA2000 1Xモデムも開発中だ。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)