インターネットサービスプロバイダ(ISP)のシステム構築・運用や携帯端末の組み込みソフトウェア開発などを手がけるフジシステムズ(小林淳男社長)は今年度(2006年12月期)、移動体、インターネット、放送を融合した事業展開を強化する。今春から開始される携帯電話向け地上デジタル放送「ワンセグ」などに備え、自社の技術力を生かし、新たなシステムやソリューションの開発を開始する。

 同社は、1982年にフジサンケイグループが設立したSIer(現在は独立)。

 今年度は、「昨年からISPによる携帯電話やテレビ向けサイトが相次ぎ立ち上がり、今年は『ワンセグ』も開始されるため、当社の技術力を生かし、新たな製品を開発するチャンス」(小林社長)と、通信と放送の融合化に対応するための応用技術を整備するほか、営業と技術が一体となり新たなニーズを獲得する社内体制を敷く。

 まずは、データ圧縮して効率よく転送する携帯端末用の通信プロトコル「WAP」とHTTPの技術検証を行うために04年9月に公開した非営利サイト「WAP Pocket」を充実させ、「携帯電話メーカーや通信技術者同士で新しいアイデアを持ち寄り、通信と放送の融合に向けたビジネス展開を加速する」(渋谷義博・ITソリューション本部モバイルネットワークグループマネジャー)ことで、新ソリューションを構築する糸口を見い出す方針だ。

 昨年11月には、中国・大連のIT産業集積地「大連ソフトウェアパーク(DLSP)」の運営会社と提携し、インターネット関連や組み込みソフト開発のオフショア開発を開始するなど、技術基盤を固めるための事業も拡大している。

 小林社長は「必要に応じて、技術基盤や開発への投資を拡大する」としている。

 同社の売上高は、詳細を公表していないが、昨年度は14億円以上を計上したもよう。放送と通信の融合に関する事業の拡大により、この先数年で、同20億円を目指す。