伊藤忠テクノサイエンス(CTC、奥田陽一社長)は、アウトソーシング事業を得意とするCRCソリューションズ(杉山尋美社長)を今年10月、吸収合併する。システム販売に加えて、運用・アウトソーシングまでのITトータルサービスをシームレスに実現するためだ。今年4月には業界大手の野村総合研究所(NRI)が同じくアウトソーシングを事業の柱とするNRIデータサービスを吸収合併している。今回のCTCの合併により販売から開発、運用に至るまで一貫して受注するスタイルがより一層浸透することになりそうだ。

 今回合併するCRCソリューションズの昨年度(06年3月期)連結売上高は605億円で、CTCの昨年度ベースの連結売上高と単純合算すると約3000億円、経常利益ベースでは約250億円規模になる。経常利益ベースでは昨年度のNRIの実績を下回るものの、売上高ベースではNRIを超える。

 NRIが特定大口顧客を多く抱えているのに対して、CTCは強力な営業力を武器に幅広い顧客層を持っている特徴がある。今回の合併により、これまで比較的弱かった運用・アウトソーシング事業の大幅な強化が期待できることを受けて、「将来的に売上高4000─5000億円、純利益200億円規模を達成することも夢ではない」(奥田社長)と、迅速な成長に自信を示す。

 奥田社長は今年10月の新体制で引き続き社長を務めることが決まっている。今後の中期経営計画は策定中として具体的な明言は避けたものの、今年度連結売上高1兆円を目指す業界トップのNTTデータと特定顧客に強いNRIのトップ集団とは異なる路線で、製品販売力や営業力が強く、なおかつ開発やアウトソーシング事業にも強い「第3の勢力に成長していく」と新生CTCの方向性を語る。

 当面の取り組みとして、今年度中はCTC、CRCソリューションズ両社の組織は原則として存続させ、来年度以降の中期経営計画の策定に合わせて本格的な統合作業を進める。合併効果が業績に現れてくるのは「07年後半くらいから」と予測している。CRCソリューションズが主力とするデータセンター事業は引き続き拡大させ、これまでCTC単体では受注できなかった高度なアウトソーシングを新体制で獲得していく方針。

 合併方式はCTCを存続会社とし、CRCソリューションズは解散する。合併後のCTCは「伊藤忠テクノソリューションズ」に社名変更する。形式上は吸収合併だが、対等合併の精神で両社の強みを最大限に発揮する意志を新社名に託した。