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ミロク情報サービス 経理ソフト簡易版やIP電話提供 会計士と顧問先ネットで結ぶ

2006/06/05 17:54

週刊BCN 2006年06月05日vol.1140掲載

 ミロク情報サービス(MJS、是枝周樹社長)は、会計事務所に中小・零細企業を呼び込むサービスを拡大している。マイクロソフトの表計算ソフト「エクセル」を基に作成した経理ソフト簡易版の無料提供を始めたほか、会計事務所と顧問先(企業)をインターネット上で連結して業務効率を高める「iCompassコミュニケーション」にUSBメモリ型IP電話をセットにしたサービスの提供や同社運営のポータルサイト「海」の機能拡張を進めている。

 今回の施策は、2002年の税理士法改正に伴い広告宣伝活動が自由化され、同社業務ソフトを導入する会計事務所の顧問先獲得が激化していることに対応したもの。

 無料提供する経理ソフトは、現金出納帳や仕訳票など12種類の経理作成テンプレートを提供。ポータルサイト「海」からダウンロードできる。中小・零細企業が社内で財務情報を一時的に把握するために利用でき、社外に公表する財務諸表にする際に会計事務所向けの同社業務ソフト「ACELINK Navi」で形式を整えられる。書式化した財務諸表や元帳などは、PDFなどで顧問先に戻し、顧問先がこれを保存する。

 1月に開始したリモートコントロールサービス「iCompassコミュニケーション」では、エニーユーザーが提供するUSBメモリ型IP電話「ImPhone」を3000円程度で販売し、会計事務所と顧問先の連携を深める施策を開始する。 同サービスは、両者がパソコンで財務諸表などの画面を共有し、遠隔で会計士の指導を受けながら、企業の事務担当者が入力できるもの。これに「ImPhone」をつなげることで、音声通話により、経営相談や経営分析などのアドバイスを受けられる。

 ポータルサイト「海」では、無料でダウンロードできるビジネス文書作成ソフトの数も従来の800種類から1400種類に増やした。「会計事務所は変革の時期を迎えている。当社の重要顧客である会計事務所に顧問先を呼び込むほか、新たな会計事務所の獲得も狙える」(堀貢一・コンテンツ企画チーム部長)と、「海」で企業の事務職員の支援をして、サイトにきた企業に会計事務所を紹介していく。

 「海」の閲覧数は、コンテンツを拡充することで、現在の月間120万から来年3月までに200万に増やすことを目指す。
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