ソフトウェアライセンス販売のウチダスペクトラム(町田潔社長)は、企業向け検索エンジン(エンタープライズサーチ=EPS)「SMART/InSight(スマート・インサイト)」の業種・業務に応じた複数のテンプレートを10月中にも提供する。同製品は、2005年10月に初期バージョンを発売してから、大企業を中心に導入されてきた。中堅以下の企業にも「より浸透させる」(町田社長)ために、初期投資が少なく、導入が容易なテンプレートを開発。これと並行して、業種・業務に強みを持つSIerなどのパートナーも開拓する。「スマート・インサイト」の関連事業だけで、08年度(09年7月期)までに年間売上高20億円を目指す。

 「スマート・インサイト」は、ノルウェーのソフト開発会社、ファストサーチ&トランスファ社が開発した検索エンジン「FAST Data Search」を核に、日本の商習慣に応じて「情報共有」や「発信・流通」機能を追加したものだ。昨年10月に「同バージョン1.1」を、今年4月には情報統合や検索に加え、共有機能を強化した「同バージョン2.0」を出荷している。

 これまで、大企業を中心に7社に導入された。10月には、企業の顧客層を広げることを目的に、業種やマーケティング、品質管理など業務別のテンプレートを順次開発し、大企業だけでなく中堅企業にも提供する。テンプレートの販売は、従来の直販に加え、業種・業務に特化したソリューションや製品を展開するSIerなどと連携し、チャネル販売による展開を視野に入れている。「当社にすべての業種・業務に関するノウハウはないので、幅広くパートナーと連携する」(町田社長)と説明する。

 同製品は、ひとつのインターフェイスからドキュメントやグループウェア、データベースに加え、ブログやウェブニュースといった社外情報など、異なる形式ファイルを検索できる。町田社長は「データ分析ツールとしてBI(ビジネス・インテリジェンス)があるが、社内ドキュメントまで対象にしていない」と、既存システムを利用して簡単に情報検索でき、企業の生産性を向上させることを目指したという。

 今年5月にはブログ・ソフト大手のシックス・アパートと協業し、両社の製品を組み合わせたソリューションの提供を開始した。

 国内のEPS市場は約100億円といわれ、今年に入り、日本オラクルやグーグルが参入。世界市場では、EPSを核にしたシステム構築やASPなどを含め、2010年には3兆円に成長するとの予測もある。町田社長は「企業の関心は『情報活用』が圧倒的に高い。特に08年は大半の企業で『情報活用』をシステム化するというデータもある」と、今後の需要期を前に販売体制づくりを進める。