【ソウル発】 韓国マイクロソフトは、韓国電子通信研究所(ETRI)とゲーム技術開発協力の覚書(MOU)を結び、「オンラインゲーム・イノベーションセンター」に3400万ドルを支援することになった。

 今回のMOUの主な内容は、ETRIとマイクロソフトは①共同で「オンラインゲーム・イノベーションセンター」を開設し、②オンラインゲームR&Dセンターとしての役割を支援、③ETRIの育成プログラムのオンラインゲームテストベッド(OGTB)事業にマイクロソフトのソフトウェアライセンス・技術支援・教育支援の提供などだ。ETRIは支援対象として中小規模の200余りのオンラインゲーム開発会社を選定、共同育成することになる。

 ゲーム業界では、今回のマイクロソフトのオンラインゲームセンター設立が、韓国に利益をもたらすと予想している。投資金額も大きいが、ソフトウェア開発のノウハウも伝授される基盤も組み込まれているからだ。Xbox360用ゲームソフトをはじめ、モバイルや応用ゲームの共同研究を推進し、韓国ゲームの海外進出とマーケティングを支援する戦略となるからだ。

 マイクロソフトのオンラインゲームセンターは中小企業に対する投資という意味合いがある。だが一部ではマイクロソフトが今後センターを通して、自社ゲームへの投資を増やすだろうとみている。

 またETRIは政府系の技術開発センターなので技術力が業界の最新レベルには至らず、マイクロソフトと技術開発をするどころか、逆に韓国の最新オンラインゲーム技術だけが海外に持っていかれるのではないかと懸念されている。

 「オンラインゲーム・イノベーションセンター」支援は昨年から施行されているマイクロソフトの韓国ソフトウェア企業支援プログラムである「韓国ソフトウェア生態系プロジェクト」の一環で、オンラインゲーム分野にも適用されるようになった。韓国ゲーム産業開発院によると韓国ゲームソフトの市場規模は、2006年は前年比で26%増の8兆8663億ウォンで、直接従事者は6万人に及ぶ。輸出68億ドル(ロイヤリティ含む)に対して、輸入は28億ドルで、40億ドルの黒字を記録している。

 マイクロソフトのケビン・ターナーCOOは「韓国はデジタルコンテンツとゲーム分野で技術的、文化的底力を持っている」とし、「マイクロソフトの技術とノウハウを接続させ、オンラインゲーム開発会社がデジタルエンターテインメント分野で世界市場をリードする良い機会になるだろう」との見方を示した。

 ETRIのチェ・ムンギ院長は、「韓国の成長を促す原動力としてオンラインゲームとデジタルコンテンツの産業育成政策にマイクロソフトが協力してくれれば、グローバル競争力が一層高まると期待される。特にオンラインゲーム・イノベーションセンターを通じて韓国ゲーム産業のR&Dが強化されるだろう」と期待をにじませながら展望を語った。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)