NEC(矢野薫社長)と開発系SIerのシステムズ(小河原弘三社長)は、マイクロソフトの新OS「Vista」へのマイグレーション事業を共同で拡大するため、販売・技術提携関係を強化した。データベースの新旧移行作業、サーバー側のミドルウェアの最新版アップデートや動作検証など、両社のツール類などを利用して共同で提供する。

 システムズは案件の6割を日立製作所関連のSIerから受託してきたが、今回の提携で、NEC特約店などの新規開拓ができそうだ。一方、NECもシステムズが汎用機などからマイグレーションする際に導入するIBMや日立のサーバー環境へミドルウェアを拡販するチャンスが広がると期待している。

 システムズは2003年から、受託ソフトウェア開発に加え、旧世代の大型汎用機の機能をそのままに、新システムに「置き換える」ソリューションを提供している。同社の「マイグレーション技術」は、既存システム資産の80%以上を活用し、コストを抑制して移行時のリスク回避が可能なプロセスとして、国際特許を取得している。

 今回、NECと提携して新たに提供する「Windows Vista/Office2007導入支援コンサルテーションサービス」は、システムズのサービスと、異なるサーバー間のデータベースを連携させるNECのデータ連携・統合ツール「DataCoordinator」を融合させた新たな仕組み。具体的には、アプリケーションの互換性検証やOffice診断、システム全体の動作検証──などを、IT資産棚卸しを含め移行時のコンサルティングから行う。

 VistaやOffice2007へ移行する際には、「クライアントPCだけでなく、バックエンドであるサーバー側のデータベース、通信環境のIPv6など、動作検証をしたり、JISの文字コード対応などをする必要がある」(システムズの中本周志・販売推進部部長)という。これらの問題を解消するため、両社のツール類で、作業を簡略化し、安全に移行を進められる。

 NECは、今回のサービス用として「DataCoordinator」の「期間限定ライセンス」を提供。移行期間中だけ、同ツールを利用する企業向けに特別価格で利用できるようにした。中本部長は「ビジネス市場へのVista浸透は遅れている印象がある。しかし、08年頃になれば導入が活発化するとみている」と、同サービスを早い段階で利用するようユーザー企業やSIerに促していく。両社は7月6日、共同セミナーを開始。具体的な案件獲得を本格化する。