地図専業の昭文社(黒田茂夫社長)は、主力の電子地図ソフトウェア最新版「Super Mapple Digital Ver.8」を家電量販店や書店、一部ダウンロードで販売を開始した。地図ソフトで業界初の「英語表示」機能を搭載したり、建物形状データを追加するなど、前版に比べ大幅に機能を強化した。同社の観光・旅行サイトの情報を無料ダウンロードでき、「単なる地図ソフトとしてだけでなく、プラットフォームとして利用が広がる」(昼間芳文・電子営業二部営業三課課長)と、旅行好きユーザーなどに利用拡大を図る。

 最新版は、地図・検索データを機能強化した。詳細図では、都市計画図や航空写真を基にした建物形状データの表示を追加し、「京都の通り名」も調べられるほど住所検索性能を高めた。また、地図業界で初めて、「英語表示」を搭載し、英語圏の観光客など幅広い層へ地図案内を広げることを狙う。

 また、ユーザーインターフェイス(UI)を「Microsoft Office2007」をイメージしたデザインへ一新。利用目的に合わせ表示が変わるメニューや表示した地図をタブで最大8件まで一時保存できる。複数箇所を調べる際、地図データをいちいち閉じて次の地名探しをする必要がなくなる。

 観光・旅行を計画するユーザー向けとして、「プランニング機能」を強化している。ETC専用出入口を含めたルート検索やETC割引情報、料金計算もできる。経由地やサービスエリアなどの滞在時間を設定したプランニングも可能で、作成したプランを印刷することができる。

 昼間課長は、無料Webサービス「Google マップ」が普及した影響で「一時は地図ソフトの需要低下を心配したが、スマートフォンに地図を落とし込める機能などで差別化を図ったことで、利用者が戻っている」と、手応えを感じている。同ソフトでは同社の観光・旅行サイト「まっぷるnet」や季節情報ガイド、震災時帰宅支援情報、路上駐車取締情報などを無料ダウンロードでき、「Google マップ」にはない付加価値を提供している。

 同社では、創立50周年を迎える2年後に提供予定の「バージョン10」に向けて準備を進めている。カーナビ用地図を手がける子会社で、全国の道路を実際に車で走ってみて、道路情報の3次元映像をデータベース化するというものだ。こうした情報を地図ソフトに反映することも検討している。