ハードウェア・ソフトウェア製品の第三者検証機関であるアリオン(日本法人、簡添輝社長)は、ロゴ認証取得や量産前の検証などメーカー受託事業に加え、すでに店頭に並ぶ製品を自主的にベンチマークする評価試験事業を開始した。厳格な試験で得た定量データを製品選択の指標としてエンドユーザーに提供するほか、メーカーに対して製品の品質向上に向けた取り組みの強化を促す。この一環として、このほどコンシューマ向け詰め替え用インクジェットの純正品とサードパーティ製品を比べ、印刷画像の保存性について分析。これによると、画像劣化に相当の差があること分かった。

 アリオンの本社は台湾で、1991年に創立された。日本法人は02年に設立。現在、沖電気工業や富士通など、ハード、ソフトのメーカー約40社と取引し、製品の設計から出荷までのプロセスで必要な品質保証テスト、無線LANやUSB、ハードディスクといった周辺機器の標準化団体、マイクロソフトなどITベンダーの委託を受け、ロゴ取得の第三者機関として世界的に展開している。

 こうした従来の検証業務に加え、国内では、すでに市販されている製品を自社で独自に購入して評価する分野に業務を拡大している。

 この第一弾として、国内コンシューマ向けプリンタ市場で上位1-2位のキヤノンとエプソンの中級プリンタ(「Canon PIXUS iP7500」と「EPSON Colorio PM-A890」)、紙、インクを東京のビックカメラで自費購入。両機を利用して、両社が開発・製造・販売する純正品とサードパーティ製品の詰め替え用インクジェットを使った場合を想定した混合ガス試験を実施し、写真印刷画像の保存性を比較した。

 試験は、プリンタメーカーが訴求する保存性のうち、耐光性、耐オゾン性、アルバム保存性を確認するため、オゾン、窒素酸化物、硫黄酸化物の3種類ガスを用い、同社の屋内実環境で加速試験をして劣化の度合いを調べた。それによると、「サードパーティ製品だと、1年相当でシアンが劣化して写真画像の変色が始まる。純正品は染料に手が加えられており、当社が調べた5年相当まで劣化しなかった」(中山英明・営業部部長)という。

 エンドユーザーは、詰め替え用インクジェットを交換する際、安価な製品を選ぶ傾向が強いと言われる。しかし、「ユーザーは、劣化の度合いを知らないことが多い」(大原稔・代表取締役)と、エンドユーザーに選択肢を与える意味で明確な指標が必要と、今後も発売後の製品評価試験を行う方針だ。