日本ヒューレット・パッカード(日本HP、小田晋吾社長)は、中小規模システム向けに「HP BladeSytem c3000エンクロージャ」を市場投入し、ブレードサーバー事業を強化した。他社が攻め込めなかった中小企業に照準をあてて、タワー型サーバーからの置き換えを促進することでトップシェアを狙う。

 「c3000」は、大企業向け「c7000」に続く第3世代のブレードシステム。石積尚幸・取締役副社長執行役員HPサービス事業統括は、「2007年を“中小企業のIT化元年”と定めてビジネスを推進してきた。さらに具現化したのが今回の製品」とアピールする。ブレードサーバーの「ML460c」を最大で8台搭載でき、エンクロージャのサイズを縦26.5センチ、横48.5センチ、奥行83.5センチとコンパクトに仕上げた。8台のタワー型サーバー設置と比べると63%の省スペース化を達成。ラックの設置や専用のキーボード、モニター、マウスなどの接続が不必要で、エンクロージャへのネットワークや電源配線とパソコンでシステム構成を可能とした。

 また、これまでユーザー企業への導入で障壁になっていた電源の問題も解決しており、100Vの環境でクアッドコアCPUのブレードサーバーでもフルに搭載できる。エンクロージャでのストレージ共有や、NAS(ネットワーク・エリア・ストレージ)環境の構築、統合バックアップを搭載した「HP StorageWorks All-in-One SB600cストレージブレード」でストレージの統合化にも対応。そのほか、複数サーバーの同時利用が可能でOSのインストール時間を約2時間30分に縮めたDVD-ROMドライブも搭載した。

 価格は、「ML460c」1台あたり41万円、エンクロージャは69万8400円に設定。今回、エンクロージャをベースにサーバー1台で50万円(定価107万1600円)、デュアルコアのサーバー2台で100万円(178万5600円)、クアッドコアモデル2台で100万円(174万5600円)で販売するキャンペーンも実施した。上原宏・エンタープライズストレージ・サーバ統括本部インダストリースタンダードサーバ製品本部長は、「このキャンペーンで、ブレードを垂直的に立ち上げる」と自信をみせる。

 同社は、国内ブレードサーバー市場でシェアがなかなか拡大できない状況。国産メーカーの追い上げなど競争が白熱しているためで、トップの日本IBMにも大きく離されている。しかし、「今回の製品は、タワー型サーバーのユーザー企業も対象にできる。潜在需要が広がった」(上原本部長)としており、ラックマウント型サーバーからの乗り換えが多かったブレードビジネスの変革を示唆する。しかも、今年6月に販売代理店への支援制度を刷新。販売主体のプログラムに改善したことで13社から24社に増えた。「一気に拡販する体制が整った」と断言。間接販売の比率を、「現段階の60%から近い将来に70%まで引き上げる」ことで事業の拡大を図る。

 ブレードの売り上げ比率は、今年度(07年10月期)第3四半期でPCサーバー全体の13.7%という。これを、2010年度までに25%まで引き上げる。マーケットシェアについては、「できるだけ早くトップシェアを獲得したい」考えだ。