中堅SIerのTDCソフトウェアエンジニアリング(TDCソフト、藤井吉文社長)は、携帯電話向けのSaaS関連ビジネスを今後2年で4倍に増やす。今年度(2008年3月期)の同事業の売上高は約5億円の見込みだが、3か年中期経営計画の最終年度である09年度には20億円に増やす計画を立てている。

 ソフトウェアをサービスとして提供するSaaSには大手SIerが相次いで参入、競争が激しさを増している。こうしたなか同社は携帯電話向けのCRM(顧客情報管理)サービスを他社に先駆けて製品化。これまではパソコン向けのSaaSが主戦場になっており、「ライバルがまだ少ない携帯電話向けで先行者利益を確保する」(藤井社長)戦略を展開する。

 今年度に入ってからSaaS大手のセールスフォース・ドットコムのCRMサービスを携帯電話で利用できるサービスが本格的に立ち上がった。「先行投資のフェーズから利益が出せる段階へとシフトしてきた」という。昨年11月にはNTTドコモの携帯電話だけでなく、ソフトバンクモバイルにも対応した。セールスフォースや通信キャリアの営業パワーも相まって引き合いは急増している。

 受託型のソフト開発の比率が高いTDCソフト単独では、自社プロダクトを販売する営業リソースに限りがある。だが、今回の携帯電話向けSaaSでは、いち早くサービスを提供したことで、SaaSベンダーやキャリアなどアライアンス先の営業リソースを活用しやすい状況を創出。このことも事業拡大の追い風になっている。