日本IBM(大歳卓麻社長)のストレージ仮想化ビジネスが順調に伸びている。先行して4年ほど前から製品を投入してきた実績の積み重ねがあり、仮想化システム案件では他社に負けないと自信をのぞかせる。現段階では直販がメインだが、販売代理店とのパートナーシップ深耕でさらにビジネスを拡大させる考えだ。

 同社は、ストレージ仮想化関連の製品として「IBM System Storage SANボリューム・コントローラー(SVC)」の販売に力を注いでいる。SVCは、さまざまなメーカーのストレージ製品が混在するSAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)環境下で、仮想ディスクを設定することにより複数の物理ディスク装置の一元管理が可能。ユーザー企業にとっては、物理的な装置に依存しない仮想化環境の構築によりストレージ使用効率の向上につながるという。価格は1000万円からと、他社製品と比べて低価格に設定している。

 ワールドワイドでは発売から4年程度が経過する現段階で1万台の出荷台数、3400社以上のユーザー企業に導入した実績を持つ。システム・ストレージ事業部製品担当の佐野正和・ソリューション担当部長は、「日本では、大企業を中心に06年から需要が増えている」という。また、欧州では最近になって中堅・中小企業の導入が増えつつあり、「中堅・中小企業がストレージを導入する際、まずはミッドレンジモデル、データ容量の増加にともないローエンドモデルを追加していく傾向が強い。そのため、日本でも中堅・中小企業でニーズが高まってくるのではないか」とみている。

 販売強化策については、販売代理店を徹底的に開拓していくという。SVCを積極的に販売するSIerは現段階で5社程度。そのほとんどがIBM製サーバーとストレージ、SVCをセットで売るケースが多い。「今後は、当社サーバーにこだわらずにSVCを拡販する販売パートナーも増やしていきたい」意向で、SVCを突破口にストレージビジネスの拡大にもつなげる方針。また、サーバーメーカーなどとのアライアンスを組むことも視野に入れており「ストレージ仮想化関連でビジネス拡大を図ろうとしているメーカーに対してOEMで提供することも検討する」としている。

 ユーザー企業がITシステムを導入するに際しては、サーバー統合/仮想化の進行にともなってストレージ仮想化も視野に入れなければコスト削減につながらないといった見方も出ているようだ。そのため、「早くからストレージ仮想化に取り組んできた当社に優位な状況になっている」と、マーケットで主導権を握ることに自信をみせる。