日立コンサルティング(ポール与那嶺社長)は、知的情報資産を企業価値の向上につなげるコンサルティング「ナレッジパートナーサービス」の提供開始から約3か月が経過し、徐々に需要が出ていることを明らかにした。現在、上場企業を中心に10社以上と商談を進めており、3社と契約が成立した。市場が確立していない法人向けナレッジマネジメント分野で、同社はコンサルティング面から主導権を握る方針だ。

 同社が提供している「ナレッジパートナーサービス」は、ナレッジマネジメントに関する課題解決をサポートするコンサルティングサービス。グループウェアやナレッジベースのシステムを導入した企業のなかには、「作ったシステムが使われない」「システムの維持管理が難しい」「使える情報が見つからない」などといった問題を抱えているケースが多い。「ナレッジマネジメントは1990年代後半から出てきたものの、広まっていないのが実状。そこで、コンサルティング面から支援するのが最適と考えた」(吉岡正壱郎ディレクター)ことからサービス化したという。最近になって提供開始に踏み切ったのは、「ウェブ2.0などの登場で、市場ではナレッジマネジメント関連製品が揃いつつある」ため。知的情報資産を明確化し、ビジネス拡大につなげられるようなサポートに対するニーズが高まってきたと判断したわけだ。

 具体的なサービスメニューについては、①ナレッジ蓄積、手法の確立、②ナレッジ収集、プロセスの確立、③ナレッジ活用、促進施策の推進、④組織的ナレッジ、活用能力の向上の観点から提供する。プランニングフェーズでは、ユーザー企業の状況に合わせて、基本方針の策定からナレッジ流通の分析、構想策定、計画設計などを組み合わせる。システム開発を含め、1年程度でユーザー企業がナレッジマネジメントを習得できるようにメニュー化している。

 同サービスの導入実績については、提供開始後、約3か月が経過した現段階で3社を獲得。ほかにも、「10社程度と話を進めている」という。1案件あたりの料金はさまざまだが、平均で1000万円とみられる。初年度となる今年度(2009年3月期)は1億円を見込んでおり「達成できる」と自信をみせる。

 次世代ウェブ技術をベースとしたナレッジ関連製品は登場したばかりで、市場が立ち上がっていない状況。「市場が確立するのは5年先ではないか」とみている。そのため、まずはコンサルティングで企業のスキルアップを図っておき、将来の市場で主導権を握ることが同社の狙いだ。

 また、このサービスは自由な情報発信による組織や企業を超えた交流を目指して日立グループでも導入済み。グループ企業の約180社から5500人以上が参加しているという実績も出てきており、こうした事例も提案につなげていく。