インターネットサービスのリンク(岡田元治社長)は、クラウド型のホスティングサービスを11月17日から始めた。必要なコンピュータリソースを最短1時間で追加できるもので、月額料金を4万円余りに抑えた。顧客ごとに専用のサーバーを用意するこれまでのホスティングサービスに比べ、需要の変化に応じた無駄の少ないリソース設計が可能になる。コンピュータへの負荷変動が大きいネット系のサービスを中心に受注増を目指す。

 クラウドホスティングのサービス名は「at+linkパワーフレックス」で、システムベンダーのエーティーワークス(富山市、伊東孝悦社長)と共同で立ち上げた。サーバー仮想化技術を使うことで、CPUやメモリ、HDDをほぼリアルタイムで増減できる。例えば「週末だけCPUリソースを増強することもできる」(中島弘基・サービス開発マネージャー)わけだ。アクセス数の増減が激しいネット通販サイトや期間限定のキャンペーンサイト、イベントやコンサートの参加申込みサイトなどの需要を取り込む。

 仮想化ソフトで定評のあるXen(ゼン)をベースとした米バーチャルアイアン社の管理ソフトを採用。システムをほとんど停止させることなく、リソースの増減に対応する。仮想サーバーの初期費用は8万円弱で、月額料金は4万円余りに抑えた。CPUは最大2コア、メモリは最大4GBまで追加可能。さらに拡張するときは仮想サーバーをもう1台追加する方式だ。仮想サーバー自体は理論上、何台でも増やせる。CPUを1コア追加すると日割りで2100円、月額で4万2000円と利用度合いに応じて料金を細かく設定できる。

 クラウドサービスは、月額数十万以上する高額なサービスか、個人用途など数千円の小規模なサービスに二極化する傾向にある。リンクでは、24時間のシステムサポートやバックアップサービスなどのメニューを備え、業務での利用に十分耐えうるサービスレベルを確保。そのうえで月額料金を割安にし、中小企業や事業部門単位で気軽に使えるようサービスを設計した。

 同社は約2500社、8500台余りの専用サーバー型ホスティングサービスで業績を伸ばしてきた。クラウドホスティングでは今後1年間で既存ユーザーのなかから200社、新規ユーザー200社の計400社の利用を見込む。ベースは専用ホスティングを使い、「需給の増減が激しい部分だけクラウド型を使うケースも増える」(眞神克二・取締役営業部長)と予測する。同社の昨年度(2008年5月期)の売上高は前年度比約6%増の約35億円。今年度はクラウドサービスを新たに追加したことで昨年度を上回る成長を見込む。