セキュリティ製品販売などのディアイティ(dit、下村正洋社長)は、マカフィー製ソフトの販売を今年度(2009年3月期)に強化する意向を示した。ditが従来から製品を調達・販売していた取引先のセキュアコンピューティングジャパン(SCJ)がマカフィーに買収されたことが契機となった。旧SCJ製品を継続して販売する一方で、メールセキュリティ製品など、これまで販売していなかったマカフィー製品も積極的に取り扱う方針だ。

金融業や官公庁への拡販強化

 ditは1985年設立の老舗ITベンダーで、セキュリティと無線LAN製品の販売を得意とし、ネットワーク構築やセキュリティ対策のコンサルティングサービスも手がける。なかでもセキュリティメーカーから製品を調達して販売する卸売ビジネスに強い。昨年度の売上高のうち、製品販売とSI/NI事業が約70%を占めた。昨年度の業績は売上高が約24億円で、経常利益が約7000万円。システム開発会社のフューチャーアーキテクトが全株式の約45%を保有している。

 ditは、SCJがマカフィーに買収される前からSCJ製品を調達して販売している。複数のセキュリティ機能を付加したキャッシュプロキシ「Secure Web」とUTM(統合脅威管理)アプライアンス「同 Firewall」を取り扱っていた。SCJがマカフィーの一事業部門となった後も両製品を継続販売しているが、今後は旧SCJ製品だけでなく、これまで調達・販売していなかったマカフィー製品も販売する計画を示している。

 下村社長は、「セキュリティツールの統合管理ツールやメールセキュリティ製品など、マカフィーには魅力的な商品が揃っている。今後は旧SCJ製品だけでなくマカフィーの製品を幅広く取り扱い、同社の製品で全部固めたソリューション提供も行っていきたい」と、マカフィーを高く評価している。

 また、下村社長は景気後退の影響についても言及した。「昨年末からセキュリティ製品の販売に悪影響が出ている。ユーザー企業・団体の買い控えだけでなく、価格の下落も進んでいる」との実状を語る。ただ、今年度の売上高は前年度維持を死守する計画で、セキュリティ対策の意識が高い金融業やカード会社ほか、官公庁を中心に提案することで受注に結びつけ、苦境を乗り切る構えだ。(木村剛士)