キヤノンソフトウェア(実松利幸社長)は日本IBM(橋本孝之社長)と共同で、SOA(サービス指向アーキテクチャ)ビジネスを強化する。キヤノンソフトは2002年からEAI(企業内システム連携)関連事業を展開し、50社以上のプロジェクトを手がけた。この実績を生かし、IBMの基盤ソフト「WebSphere」やESB(エンタープライズ・サービス・バス)基盤などを使ってSOAを推進。10年度(10年12月期)までに10億円の売上高を目指す。SOA導入事例をもとに汎用化したソリューションの「横展開」をも計画している。

 キヤノンソフトでは今年2月1日付で、SOAソリューションの専門組織「SOA事業戦略プロジェクト」を設置。開発実行基盤としてIBMの「WebSphere」を中核にソリューション体系を組むなど、SOAをビジネス展開できる体制を整えた。また、3月には国内のSOA推進を目的としたユーザー企業向けの技術検証施設「SOA検証センター」をキヤノンソフト内に開設している。

 日本IBMとキヤノンソフト含む国内ITベンダー約70社はこのほど、SOAビジネスを国内で発展・浸透させる協力組織「SOA Partner Community」を設立した。キヤノンソフトの白倉隆雄・SOA事業戦略プロジェクトマネジャーは「こうしたコミュニティに参加するベンダーと相互補完して、SOAビジネスを伸ばせる」と、業種に応じたSOAソリューションを「横展開」できると期待する。同社はベンダー間をつなぐハブ的な役割を果たすという。

 キヤノンソフトのSOAソリューションは、ユーザー企業のシステム環境やニーズに応じ、BPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)、BAM(ビジネス・アクティビティ・モニタリング)、UI(ユーザーインタフェース)構築、連携基盤構築、SOAガバナンス、運用保守の6種類のサービスを提供する。

 製品としては、IBMの「WebSphere」製品群のうち、SOA以外のインフラ内サービスを統合する「同Process Server」などのほか、UI構築で自社のSOA対応Web構築アプリケーション構築ツール「Web Performer」などを利用。ユーザーには短期導入と技術移転を行っていく。

 日本IBMの井上奈津子・WebSphere事業部長は「SOAを実ビジネスにするには、業種に特化したノウハウが必要。その点で、実績の多いキヤノンソフトは、分かりやすいソリューションを提供できる」と期待する。(谷畑良胤)