フィンランドのセキュリティベンダー、FーSecure(エフセキュア、キモ・アルキオCEO)は今夏、オンライン・ストレージを手がけるフランスのSteek社を買収。また、新しくスマートフォン、ネットブック向けに盗難防止製品を開発した。エフセキュアでグローバルのコーポレートビジネスを担当するマリア・ノルドゲン・バイスプレジデントが来日したのを機に、取材した。

 エフセキュアが今年7月に発表したグローバルの上半期業績によると、総売上で16%増、EBIT(税引前当期利益)では32%の成長を遂げるなど、好調な推移をみせている。

 今年7月、フランスのオンラインストレージサービスやデータ管理関連の製品を手がけるSteek社を買収した。この買収により、インターネット上で安全にファイルを共有する仕組みをエフセキュアから提供できるようになった。「オンラインストレージと併せて、共有するファイルのオンラインバックアップを行う仕組みを提供することも可能になる」(マリア・ノルドゲン・バイスプレジデント)と、今回のM&Aの効果を披露する。

マリア・ノルドゲン・バイスプレジデント

 将来的には企業向けで本格的な展開を計画しているが、一部の企業に対しては、すでにオンラインストレージのための企業ポータルをカスタマイズして提供しているという。

 一方、同社が力を入れているモバイルセキュリティでは、アンチマルウェアソフトを2000年から提供しているが、それに加えて今年から、紛失したスマートフォンに対して遠隔地からロックをかけ、さらにバックアップをとったうえでデータの消去までを可能にした盗難防止機能を備えた「F-secure Mobile Security」をグローバル(日本では未発売)で提供している。「現状はノキア、ソニーエリクソン、サムソンの3メーカーのスマートフォンなどに対して製品を提供している。ノキアについては同社のネットブックに搭載して販売もしている」(ノルドゲン・バイスプレジデント)という。

 日本では、11月30日に企業向けアンチマルウェア製品「エフセキュア クライアントセキュリティ」を提供する予定だ。ノルドゲン・バイスプレジデントは「エフセキュアのコーポレートビジネスは日本がけん引している。とくにLinux向け製品は、国内市場の40%のシェアをもつ。グローバルにとってはコーポレートビジネスの成長が懸案の一つになっている」と現状を語る。

 中堅・中小企業(SMB)や消費者向けについては、ISP経由のビジネスを展開しているが、「SMBはコーポレートビジネス分野で、最も速いスピードで成長している」(同氏)とのことだ。

 今後はコンシューマ向け製品から得たノウハウを、企業向け製品に反映する「コンシューマライゼーション」を加速させる計画だ。(鍋島蓉子)