ノベル(徳永信二社長)は、仮想システムの移行支援・管理製品群「PlateSpin Workload Management」の拡販で、ITベンダーを通じた間接販売体制を強化する。同製品群を自社のソリューションメニューに組み込んでユーザー企業に販売する協業ベンダーを増やし、パートナーとなった企業には、技術トレーニングを無償で提供。パートナーの同製品群に関する知識や技術力を向上させることで、売り上げ増加に結びつける。2009年12月には、TISとリコーとの協業を発表しているが、今後はさらに開拓を加速させ、50社まで増やす考えだ。

「PlateSpin」で仮想環境の移行促進

 ノベルが拡販を狙う「PlateSpin Workload Management」は、カナダのソフト開発ベンチャーであるプレートスピンが開発・販売していた製品群で、米ノベルがプレートスピンを2008年に買収したことで、同社が開発・販売元になった経緯がある。日本市場では09年2月に販売を開始している。

 仮想環境への移行からその後の運用管理、セキュリティおよびディザスタリカバリ対策などを施すことができるのが特徴で、ITベンダーの仮想化システム設計・構築、運用業務やデータセンターの運用を支援する。OSではWindowsおよびLinuxに対応し、一方、仮想化技術(ハイパーバイザー)では、「VMware」や「Xen」「Hyper-V」など主要技術に対応しており、異機種混在環境で利用できることを強みにしている。

 複数のツールで構成するが、そのなかでもノベルが09年から拡販に力を注ぐのが、最適な仮想環境システムの構成をレポートする「PlateSpin Recon」と、移行ツールの「同 Migrate」だ。徳永社長は、「物理システムを仮想化したいユーザー企業や、構築した仮想化システムに不満を抱き、別のハイパーバイザーを活用した仮想環境に移行したいと考えているユーザーは多い。ITベンダーが仮想化システムを提案する際、有効なツールになる」としている。

 ノベルは、徳永社長の方針で昨年中盤から「PlateSpin Workload Management」の拡販に経営資源を集中させ、パートナー開拓を開始。09年12月には、TISおよびリコーとの協業を発表しているが、「リクルート活動しているなかで、ITベンダーの反応はかなり良好。今後、続々と有力ITベンダーとのパートナーシップを発表できるはずだ」と手応えを感じている。「パートナーになってくれた企業には、本来は有料の技術トレーニングを無償で行い、仮想化システムの構築・運用ビジネスを全面的にバックアップする」(徳永社長)との計画をもっている。

 パートナーの開拓および教育だけでなく、製品ラインアップも拡充する。2月に1製品、年内に2製品を発売する予定で、「仮想化システムの構築・運用を包括的に支援するラインアップを揃える。パートナーが仮想化システムで長期に付き合えるような製品群を用意するつもりだ。この分野のデファクトを目指す」と徳永社長は話している。(木村剛士)