「常に今がベスト!」。社長辞任の取り消しを求めている富士通の野副州旦前社長は、社長就任半年が過ぎた2008年12月末の『週刊BCN』のインタビューに、こう意気込みを語っていた。複数の大手新聞によれば、その野副氏が、4月7日、同社経営陣に対して損害賠償を求める株主代表訴訟を起こすことを記者会見で明らかにするという。

 『週刊BCN』での野副前社長のコメントは、「『常に今がベスト!』と考える性格ですからね」。さらに「『ピンチがチャンス』と思えば、今をネガティブに考えるなんて全然ありませんよ」とも付け加えている。この箇所だけを切り取ると、今の心境と重なるかも知れない。しかしこのコメントは、「景気後退の影響がIT産業界にも出ています。野副さんはどうみていますか?」という質問に答えたもので、本人の生活信条とは異なる。

 実はこのとき、記事にしなかった内容がある。それは、富士通のパソコン事業に関するものだった。この時期、ネットブックがパソコン市場を牽引し始め、低価格化が大きく進んだ。記者の「パソコン事業の撤退はあるか?」という質問に対し、「低価格化がさらに進み、消耗戦が続き赤字になれば、あり得る」と回答していた。

 『週刊BCN』編集部では掲載を検討したが、インタビューのなかで、野副氏からは「『ITサービスを売る』ことを標榜する会社として、パソコンは重要なインフラの一つだ」と、前言を撤回するような発言もあり、結局、掲載を見送った。

 株主賠償訴訟に関する会見模様は、当サイト「BCN Bizline」で速報する予定。

富士通の野副州旦前社長(写真は2008年12月末の『週刊BCN』インタビュー時のもの)