ロシアのセキュリティベンダー、カスペルスキーラブのユージン・カスペルスキーCEOが、千葉・幕張メッセで開催された「Interop Tokyo 2010」を機に来日。セキュリティの動向と同社のビジネスロードマップを語った。

カスペルスキーCEO 製品ロードマップを語る

ユージン・カスペルスキーCEO
 カスペルスキーCEOは、現在の脅威について「これまでよりも深刻化している。犯罪者は組織化し、まるで会社のような事業展開を始めている。また、これまではPCが攻撃の対象だったが、モバイル端末に攻撃の矛先を向け始めている」と状況を説明する。

 スマートフォンの主なプラットフォームは、Symbian OS、Windows Mobile、Android、iPhoneの四つが挙げられるが、とくにセキュリティのリスクが指摘されているのが、WindowsやAndroidのようなオープンプラットフォームだ。カスペルスキーCEOは、「クローズドプラットフォームと比べて、オープンなプラットフォームはユーザビリティ、性能が格段に高くなる余地があることから、アプリケーションを提供するベンダーが多ければユーザーも集まる。そうなれば、PCに代わる存在としてモバイルに攻撃が向く」とみる。

 カスペルスキーは、日本などモバイルネットワークが複雑化している市場を除き、製品にWindows Mobile、Symbian OSの対応を済ませ、今年中にBlackBerry、Androidもサポートする予定だ。

 同社は、SDK(ソフトウェア開発キット)の形で他のベンダーへの技術提供、コンシューマ向け製品、法人向け製品の三つの柱で事業を伸ばしてきた。

 コンシューマ向けセキュリティ製品の分野では、最新版「Kaspersky Internet Security 2011」を近く日本市場で提供を始めるとともに、上位版を開発、グローバルで年内から2011年第1四半期をめどにリリースする予定。また、これまでパッケージとダウンロードで製品を展開してきたが、「Kaspersky Subscription Service」によるISPなどのサービサーを通した月額販売の展開を本格化する。

 一方、法人向けでは先般SMB向けセキュリティ製品「Kaspersky Small Office Security」の提供を開始。企業規模によって求められるセキュリティレベルが異なることから、レイヤーごとに最適なセキュリティを提供していく。

 カスペルスキーCEOは「インターネットの脅威は近年増え続けているが、その状況は販社には見えづらい。市場には何十ものセキュリティベンダーが存在するものの、あくまでビジネスとしてセキュリティを提供している。一方、当社は創業以来、あらゆるインターネットの脅威から世界を守る製品技術の開発に全身全霊をささげている。これに賛同していただけるパートナーは、ぜひ当社に協力してほしい」と呼びかけている。(鍋島蓉子)